文字サイズ
    生活

    「待機児童解消」への特効薬はある?

    学習院大学教授(元東京都特別顧問) 鈴木亘
     女性の社会進出や、都市部への人口集中で一層深刻化する待機児童の問題。東京都の特別顧問などとして、この問題に真正面から取り組んできた経済学者がいる。学習院大学経済学部の鈴木亘教授だ。社会保障政策に精通し、長年、政策立案で汗をかいてきた鈴木教授に、待機児童問題への「処方箋」について聞いた。(聞き手・読売新聞メディア局編集部 中根靖明)

    東京都では1年に216園増!

    • インタビューに応じる鈴木教授(東京都豊島区の学習院大学で)
      インタビューに応じる鈴木教授(東京都豊島区の学習院大学で)

    ――人口の一極集中、核家族化、女性の社会進出……。待機児童問題は、都市部で特に深刻です。その代表格とも言える東京都の特別顧問に、鈴木さんが就任したのは2016年9月。小池百合子都知事が就任して早々、“白羽の矢”が立ちました。

     小池知事はビジネスマインドがある人だと思います。しかも、「待機児童対策をやりたい」という明確な目標がありました。

     最初の1年は完全な政治主導でしたし、(特別顧問として)やりたかったことを思いっきりやらせてもらえたと思います。担当部署の職員らと意見交換し、政策を詰めていきました。

     16年9月には総額126億円という待機児童対策だけの補正予算を編成し、17年度には、前年度比で500億円以上多い1381億円の大型保育予算を組んで、認可保育所の増設や保育士の待遇改善に取り組みました。16年度には株式会社や社会福祉法人などの認可保育所が、1年間で、都内に216園も増えています。

     保育士の給与見直しについては、舛添要一前知事の時代から着手し始めていて、現在では着手前より4万円以上増えています。現在では、認可保育所の保育士の月給の平均は約34万5000円です。さらに、保育事業者が借り上げた社宅などに入居すれば、8万円あまりの家賃補助も受けられるので、かなり待遇は良くなったのではないかと思います。

    ――国政にも働きかけたそうですね。

     子どもが保育所に入れない事態を考慮して、保護者の育児休暇を従来の「子どもが1歳半になるまで」から、「2歳になるまで」に期間を延長するよう育児・介護休業法を改正すべきだと政府に要望しました。その後の法改正で、昨年10月から2歳までの育休取得が可能になりました。

    2018年05月30日 07時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    PR
    今週のPICK UP
    PR
    今週のPICK UP
    ハウステンボス旅行など当たる!夏休み特集