和風だしに合う甲州ワイン普段はワイン党の我が家も、この時期は日本酒の出番が増える。三が日以来、イクラや数の子など魚卵系の食材が食卓にのぼる機会も多かったのだが、これらをワインと合わせると、時に強烈な生臭味を感じてしまうからだ。 ところが、例外的に魚卵にも和風だしにもバッチリ合うワインが、実はごく身近にある。甲州ブドウワインだ。甲州ブドウは、ワインの原料となる日本唯一の伝統品種だ。そんなこともあって、我が家ではお正月に必ず甲州ワインも飲んでいる。 今年の甲州は、昨年10月に産声を上げた四恩醸造の小林剛士さんが造ったものを選んだ。白ワインではあるが、ほんのり紅が差している。 というのも、灰色がかった薄紫色の果皮を少しだけ一緒に漬け込み、発酵させているから。異色のワインだが、丸みがあり、まったりとした味わいで実にうまいのだ! イクラ、数の子はもちろん、カツオだしの煮しめや西京焼、鴨の燻製など、和風の味付けになじむ万能選手だ。 ワイナリーは甲府盆地の北東の外れ、いや、むしろ秩父の山すそにほど近い牧丘地区(山梨市)にある。山ひだや渓谷が織り成す景色が美しい、鄙びた里だ。どこか少年らしさを感じさせる小林さんは、「地元のブドウを使い、日本人がごく普通に食卓で楽しむ日常的ワインを造りたい」という。 牧丘の隣村はコンニャクも名産。煮しめもそろそろ切れるころ、次はコンニャクの炒り煮で一杯やろう。 鹿取みゆき(フード&ワインジャーナリスト) この一本ローズ(山梨)魚料理も肉料理もOK。まさにワイナリーが目指す食卓で楽しめるデイリーワインそのものの仕上がり。 750ミリ・リットル 1365円 (2008年1月7日 読売新聞)
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