オー・ブリオン直系「クラレンドル」ボルドー1級のシャトー・オー・ブリオンの技術と洗練されたマーケティングをブレンドしたワイン「クラレンドル」を、エノテカが輸入・販売している。醸造責任者のクロード・ボダマニ氏にワイン造りの狙いなどを聞いた 「クラレンドル」の名前は1935年にオー・ブリオンを購入した米国の実業家クラレンス・ディロン氏へのオマージュ。オー・ブリオンの持ち株会社「ドメーヌ・クラレンス・ディロン」が、ネゴシアン「クラレンス・ディロン・ワインズ」を設立し、ボルドー地方から購入したワインで造る。発売するのは、赤、白、ロゼと甘口「アンバーワイン」の4種。 他の1級シャトーがネゴシアンや海外進出に力を入れる中で、オー・ブリオンは83年にラ・ミッション・オー・ブリオンを買収したほかは、伝統的なシャトー活動に専念してきた。それだけに、シャトーを率いるルクセンブルグのロベール皇太子が決断した今回の動きは注目される。 「ロベール皇太子がネゴシアンを設立した理由は3つある。1つはお買い得なワインを造ること。オー・ブリオンなどのワインを販売すること。最後に、従来のボルドーにはない新しいタイプのビジネスを展開すること。『クラレンドル』のほか、オー・ブリオンのプリムール(先物販売)も扱う。将来は、ラフィット・ロートシルトのような優れたシャトーのワインも販売したい」とボダマニ氏。 ボダマニ氏は64年生まれ。別のネゴシアンで俳優のジェラール・ドパルデューらのワイン造りを指導した元フライング・ワインメーカーだけに、マーケティングにも強い。クラレンドルを「旧世界のワイン造りと新世界のマーケティングのブレンド」と表現する。 「ワインのブレンドやテイスティングは、オー・ブリオンの醸造チームと打ち合わせて、技術的なアドバイスを受ける。凝縮したタイプではなく、エレガントで伝統的なボルドーというオー・ブリオンのタッチを受け継いでいる。価格は日本なら3000円前後、米国で25ドル、フランスで15ユーロのレンジを狙っている。25〜45歳で食事やレストラン、クラブにお金を使うが、ワインの経験は少ない。そんな消費者に、オーブリオンのブランド価値をアピールする」 年間平均生産量は赤が4万本、白が2万本、ロゼが10万本、甘口が3万本と、多くはない。ペサック・レオニャン、メドックの5〜8社のワインを購入するが、テロワールを表現するワインではない。 「例えば、エルメスやシャネルには確立されたブランド価値がある。オー・ブリオンは1935年以来、オーナーの一族と醸造責任者の一族が変わっていないという歴史を誇っている。レストランでクラレンドルのマークを見たときに、ソムリエや消費者が安心できるようなブランド価値が我々の強みだ」 クラレンドルの「赤 2002」(3675円)は軽快でタバコのスモーキーな香り。ボダマニ氏によると、オー・ブリオンのプレスワインを入れている。「白 2004」(3675円)はフレッシュな柑橘系の香りの中にハチミツのタッチがある辛口。 「ロゼ 2005」(2625円)はセニエ方式。ボディがあり、赤みの強いピンク色。「2004年は、薄い赤ワインから水分を抜くためのロゼが大量に造られたが、我々のコンセプトは全く違う。最初から美食のためのロゼを目指した。オー・ブリオンでは昔から自家消費用にロゼを造ってきた歴史がある。そのロゼは含まれていないが、寿司や肉などに、色調で合わせてほしい」とボダマニ氏。 「アンバーワイン 2003」(6300円)は名前が示す通りのデザートワイン。貴腐菌のついたセミヨンと遅摘みのミュスカデル、ソーヴィニヨンをブレンドした。「ロベール皇太子が各国での宴席での経験から、甘いだけでないフレッシュさを出すために、遅摘みを混ぜる」という。 問い合わせはエノテカ(電話 03-3280-6266)。 (2006年10月10日 読売新聞)
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