プロヴァンスの赤にかけるデュペレ・バレッラフランス・プロヴァンス地方で自然派の赤ワインを産する新進生産者デュペレ・バレッラのオーナー夫妻が来日した。 元地質エンジニアのローラン・バレラ氏とカナダ出身の妻エマニエル・デュペレさんが、1997年にネゴシアンとしてスタート。コート・ダジュール沿岸のトゥーロンから30キロ内陸に入ったカルノール村に3・5ヘクタールの畑を購入し、ドメーヌを始めた。 畑は2つの山の谷あいにあり、シストと石灰岩が入り混じる土壌で、降雨量も多くない。ローランは「4世代前の家系がプロヴァンスに畑を持っていたこと、地質的な面白さ、それに、気軽なロゼの産地であるプロヴァンスの赤ワインの可能性を信じていたから、畑を買った」と話す。 実際、村には2つのドメーヌしかなく、残りの農家はブドウを協同組合に売却している。サントロペやニースが近い土地柄で、シリアスなワインを造ろうという農家は少ない。「AOCの規則により、シラーとカベルネ・ソーヴィニヨンなどの組み合わせも可能で、コート・ド・プロヴァンスに赤ワインの可能性はあると思う」。 ドメーヌで瓶詰めし、日本で発売されているのは、自社畑の「コート・ド・プロヴァンス クロ・ド・ラ・プロキュール 2005」(希望小売価格 4600円)、醸造時に電気を使わない「コート・ド・プロヴァンス ノワット 2006」(希望小売価格 6500円)、新樽熟成した「コート・ド・プロヴァンス トレ・ロン・マセラシオン 2006」(希望小売価格 6000円)。 クロ・ド・ラ・プロキュールはグルナッシュ、ムールヴェードル各40%、サンソー、カリニャン各10%。自然な果実味があり、バランスが良い。ノワットは手で除梗し、足でブドウを破砕し、ピジャージュも手で行なう。カベルネ、ムールヴェードル、カリニャンが各30%、シラー10%。カベルネによる品格となじみやすさがある。トレ・ロン・マセラシオンはカベルネ80%、シラーとカリニャンが各10%。カリニャン以外は購入したブドウ。21か月間の熟成によって、柔らかさと複雑性が出ている。 夫妻はロワールのフコー兄弟、マルク・アンジェリらの影響を受けて、ビオロジックな栽培を導入。2008年からエコセールの認証を受ける予定。クロ・ド・ラ・プロキュールの畑からノワットを生産したのは、ロワールで出会った昔ながらの造り手の手法をトライしてみたかったからだ。 熟成用の樽はDRCやテルトル・ロートブッフなど一流生産者の中古を購入している。「DRCの場合は、醸造責任者のベルナール・ノブレ氏と、購入したい理由について、きちんと話し合った。最初は大変だったが、いったん理解してもらえれば、後は造り手同士だから、話は簡単なんだ」とローラン。 どのワインにも自然な造り手に共通する果実のしみじみしたうまみがあり、将来が楽しみ。 問い合わせはヴィントナーズ(電話 03-5405-8368)。 (2008年8月18日 読売新聞)
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