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「ホタテビール」北海道で発見

 麦と同じ畑のものだからイモビールやニンジンビールがあっても、ぎりぎり想定の範囲内か。でも昆布ビールやホタテビールとなると……。

 でも実際、北海道網走市の地ビール会社でちゃんと売っている。厳密には発泡酒なのだが、飲むとふくよかな苦みがあり、そのくせ後味や残り香は確かにナガイモ、ムラサキ紅イモ、ニンジン、昆布、ホタテの存在を感じさせる。

 「イモ類やニンジンは砕いたジュースを、ホタテや昆布は干物の顆粒(かりゅう)を麦汁に混ぜて蒸留します。含有率はざっと10%前後で、主原料はあくまで麦芽です」とは専務の岡田正さんだ。

 元々ベルギーなどの本場も香辛料や果物で味付けしたビールが多い。だが日本は決まった副原料(米やコーンなど)以外が少しでも混ざると、一律発泡酒扱いだ。だから米やコーンを30%余含んでも「ビール」、ホタテが8%入っただけで「発泡酒」になる。

 それにしてもなぜホタテやムラサキ紅イモなのか。「そりゃどっちも特産だもの。地元カラーをどんどん出すことで地ビール文化も広がると思う」と強調するのは東京農業大教授(食品科学)の永島俊夫さん。

 実は一連の発泡酒、同大の網走キャンパスが技術指導した。永島さんはその責任者。大学が醸造装置と試験醸造免許を持って民間と協力する例は唯一とか。

 「今はローストオニオンを黒ビールに併せたタマネギビールも研究中。何しろここはタマネギ王国ですから。あとマタタビやサクランボもイケそうですよ」

 ちなみに既に商品化した発泡酒の副原料、身割れしたり欠けたりなどの規格外品を使っている。地ビール解禁から11年、ブームは下火と言われるが、地道な取り組みも確かにある。(宇佐美伸)

2005年7月4日  読売新聞)
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