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初かつを 季節の魚蒸し菓子で表現

 目に青葉といえば、初ガツオ。ただし、こちらはお菓子だ。やさしく淡い紅色で、フルフルと軟らかく、口に入れるとなめらかに溶ける。軽やかで、後味がいい。吉野葛(くず)をたっぷり使った蒸し菓子なのだ。

 よく見ると、カツオの肌のような筋模様が入っている。しかも、筋の間隔が最初は太く、だんだん細くなって、ちゃんと頭と尾の区別がついている。どうやって作るのだろうか。

 「初かつを」は安政元年(1854年)創業、老舗の和菓子店「美濃忠(みのちゅう)」の銘菓である。創業当時からある商品で、尾張徳川家に納めていた。

 たしかに、季節の魚、それもちょっと生臭いカツオを蒸し菓子で再現してみせるという、ひねった遊び感覚は江戸好みだ。ぜいを尽くした殿様をびっくりさせようという趣向だろう。

 古いお菓子はみなそうだが、手間と時間をたっぷりかけている。大きな金属製の枠に、ろうを塗った紙を重ねて、葛に砂糖などを加えた生地を流し、じっくり3〜4時間かけて蒸す。この段階では、生地はスプーンですくえるほど、とろとろしている。これを一晩寝かせると、ほどよく締まってくるそうだ。

 例の筋模様をつけるのは、その後だ。包丁ではなく、木綿糸2本で切り分ける。木綿糸の引っ張り具合で、カツオの肌の模様ができるのだという。買うと木綿糸がついているので、ぜひ試してほしい。

 2月から5月25日までの季節商品。長時間冷蔵庫に入れると、葛がしまって風味が損なわれる。常温で保存して、食べる直前に10分ほど冷蔵庫で冷やすのが、おすすめだ。(フードライター)

 1本1942円

 美濃忠 〒460・0002 名古屋市中区丸の内1の5の31

 (電)052・231・3904

2005年4月21日  読売新聞)
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