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サバラン 現代風の軽やかさ

 サバランというお菓子をご存じだろうか。洋酒を利かせた大人の甘味だ。最近、あまり見かけないと思っていたら、東京の京王線・千歳烏山駅近くのパティスリー「ラ・ヴィエイユ・フランス」にあった。

 この店のサバランは、卵やバターを使ったブリオッシュの生地に、バニラやオレンジの香り付けをしたシロップとラム酒をたっぷりとふくませ、カスタードクリームとフルーツで飾っている。

 ラム酒の香りがふわっと広がる。顔がぽっと赤くなりそうだ。生地はしっとりと軟らかい。香り高いコーヒーを添えて、長く続く余韻を楽しみたい。

 サバランの歴史は古い。19世紀に考案され、その名はフランスの食通、ブリアサバランにちなんでいるという。だが、古典的なお菓子は時に甘すぎ、くどすぎる。それを、現代風の軽やかな味わいに仕上げたのは、オーナーパティシエの木村成克さんの技である。

 「サバランのように、歴史のあるいいお菓子を現代に伝えていくのが、私の役目の一つと思っています」

 店名を日本語に訳すと「古きゆかしきフランス」。フランスで11年間働いた。良い出会いがあり、多くを学んだ。その一つが素材をよく知り、大切にすること。無駄にしないで使い切る。それは周囲の人を大切にすることにも通じる。

 「食べ物を扱う仕事は、人の命を預かる仕事。やりがいもあるし、責任も重い」と感じている。(フードライター)

 1個450円

 ラ・ヴィエイユ・フランス 

 〒157・0063 東京都世田谷区粕谷4の15の6 グランデュール千歳烏山1階 

 (電)03・5314・3530

     

2009年6月6日  読売新聞)
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