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じっくり

落ち着いて時間をかけて念入りに行うさま(広辞苑から)

◎和田康司撮影

 日本人で初めてスペースシャトルに乗った宇宙飛行士の毛利衛さんが宇宙から北海道を眺めたら、故郷はカスベに見えたそうだ。

 東北以北では、エイのことをカスベと呼ぶことが多い。あの扁平(へんぺい)なひし形の魚体から北海道を連想するところは、道産子ならではだなあと思う。

 カスベは何と言っても煮付けである。ヒレに整然と密集するコリコリした軟骨部分を甘辛く煮込むと、骨のしっかりした歯ごたえと身肉のしっとりした甘みが格別の味わいだ。

 忘れちゃいけないのは煮こごり。冷めた鍋をのぞくと、煮汁がいつの間にかプルンプルンとコーヒー色の固まりになっている。これをひとすくい、熱々のご飯に乗っけてかっ込む幸せと言ったらもう……。

 で、牛スジである。こちらも元々の筋の食感はカスベの軟骨と似てなくもないが、じっくり煮込めば煮込むほどそのこわばりがトロトロになる。

 確かに牛スジと大根の組み合わせは最強だ。ブリ大根やおでんもそうだが、相手のうまみをしっかり受け止めてなお、根菜独特の野性味を保つ懐の深さ。見習いたいなあ。(宇佐美伸)

 牛スジと大根の煮込み

 ■材料(4人分)

 牛スジ肉800グラム、大根2分の1本、ニンニク2片、赤唐辛子2〜3本、A(しょうゆ大さじ2、コチュジャン大さじ2、みそ大さじ2、砂糖大さじ1)、香菜少々

 ■作り方

 《》牛スジ肉はたっぷりの水に入れて90分ほど煮る。その間アクをこまめに取る。ざるにあげ水気を切ったらさっと洗う。大きいスジは2〜3片に切り分ける。

 《》大根は皮をむいて2センチの厚みで一口大に切る。赤唐辛子は半割りにして種を取り、ニンニクも皮をむいて半割りにする。

 《》鍋に〈〉と〈〉を入れて水1.5リットルを注ぎ、Aを加え弱火でじっくり煮込む。

 《》汁がほとんどなくなり、牛スジがとろりと軟らかくなるまで煮えたら少し強火にし、全体を大きく混ぜ、照りを出す。器に盛り香菜を添える。

 ◎仕上げの際、好みで豆腐やシラタキを加えても。(江上料理学院指導)

2012年1月29日  読売新聞)
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