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「ハーブティー」谷山浩子さん

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「ブレンドしたハーブティーを友人に贈ったのですが、まずい、と言われました。好みはあるようですね」(東京都内で)=源幸正倫撮影

心落ち着く“救世主”

 「♪風邪を引いたら エルダーフラワー……」。ふんわりとした声で歌ってくれた。「ハーブガーデン」という自作の歌。ハーブティーの作り方や注意点を経験を基に歌詞にした。

 「風邪の時は、もうがぶ飲みの状態です。のどの痛みが楽になる。気持ちも落ち着き、家庭でも仕事でも欠かせません」

 子どものころから、刺激の強い食べ物、飲み物が口にできなかった。炭酸飲料、コーヒー、濃いお茶――。「胃腸が弱いようです。カレーもレトルト商品の甘口が限度で、体調が悪いとそれでも辛い。他人が言う『これ全然辛くないよ』は信用できないんですよね」と笑う。

 風邪薬も刺激のせいか、体が受け付けない。代わりにすりおろしたショウガを入れたみそ汁などでしのいできたが、約10年前に現れた“救世主”がハーブティー。体に合い、効果も実感できた。「ローズマリーなどのすうーっとする感じが瞬く間に好きになりました。袋に顔を突っ込んでにおいをかぎたくなるくらい」

 ハーブ専門店で数種類買ってきて、自分でブレンドする。ステージの前のうがいは、セージとタイムで。一時期、曲と曲の間にのどをうるおすステージドリンクとしても使っていたが、利尿作用があるため、これはやめたそうだ。家では夫がいれてくれることも多い。「私のブレンドは適当なんですが、夫は割合を微妙に変えたり、ずいぶん工夫してくれています」

 動物が登場するメルヘン風の曲、人間の優しさや残酷さを独自の観察眼で表現した歌など、独特の音楽世界を作り上げ、歌声には存在感がある。かつては深夜ラジオのパーソナリティーとしても評判を呼び、今も音楽とともにトークを楽しみにするファンは多い。最近は、公開中の映画「ゲド戦記」の挿入歌「テルーの唄」を作曲した。

 手先が不器用で、卵を割ったり、靴ひもを結んだりするのも苦手な子どもだったという。ただ歌が好きで、小学生のころから遊びで詞と曲を作っていた。中学校のころには「裏門から走ると30秒」の場所にあったレコード会社に自作の曲を持ち込むほど。

 「人前に出るのはあまり好きではなく、最初の10年くらいはコンサートに苦手意識がありました。今はさすがに慣れてきましたけれどね。ハーブティーのリラックス効果もあるのかもしれません」

 休日は、本屋に行ったり、DVDを見たりしてゆったりと過ごす。お気に入りのドラマの一つ「エルキュール・ポアロ」のシリーズには、ポアロがハーブティーを飲む場面がしばしば登場する。

 「ポアロもハーブティーが好きなんですよ。気が合うかも」

 今後も「ファンタジーの世界」と「身近な日常生活」の二つのテーマを軸に、曲作りを進めていきたいという。ハーブティーはそのイメージをふくらませるのにぴったりの小道具なのだろう。(伊藤剛寛)

 たにやま・ひろこ シンガー・ソングライター。1956年、東京生まれ。75年「お早うございますの帽子屋さん」でデビュー。アルバムに「そっくりハウス」「白と黒」など。9月に東京都内で恒例のコンサート「猫森集会2006」を開く。

2006年8月8日  読売新聞)
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