焼きラーメン 一度食べたらやみつき?「焼きラーメン」という名を聞いて、ピンとくる人は少ないかもしれない。文字通り、ラーメンを焼いた食べ物なのだが、侮るなかれ、香ばしいにおいとトロッとした独特の食感があとをひく。(斎藤 圭史) 東京・日本橋の「九州(くす)めし処(どころ) じのもん家」。高菜飯や牛スジ料理などと並ぶ同店の人気料理が、豚骨スープとソースでいためた「焼(やき)ラーメン」(650円)だ。 同店の運営を手伝う大沢祐司さんは「半信半疑で注文する人も多いようですが、一度食べるとやみつきになるみたいです」と話す。 銀皿に盛られた焼きラーメンにはキャベツ、豚肉、もやしが入り、青ネギが豪快にまぶしてある。見た目は、焼きそばに似ているが、その食感や味はまったく別物だ。 スープと絡まっためんを口に運ぶと、トロッとしていて、豚骨スープのうまみも感じる。酒のつまみに合うが、白いご飯と一緒に食べるのもお勧めという。 ◎ 全国各地のラーメンに詳しいフードジャーナリストはんつ遠藤さんによると、焼きラーメンは数十年前、鉄板焼きを主力商品にしていた福岡県・博多の屋台で生まれたという。 細めんの博多ラーメンを豚骨スープでいため、最後にソースで味を調えたもので、その味は「濃縮した博多ラーメン&ソース味」と表現する。最近、九州の屋台以外でも、創作的な焼きラーメンを出す店が増えているそうだ。 ◎ グロービートジャパン(本社・東京)がチェーン展開する「らあめん花月 嵐」では、しょうゆ味の「焼きラーメン」(620円)を味わうことができる。 昨年7月、全国170店で販売を開始。「男女問わず、底堅い人気のある商品です」(同社広報担当の関本正夫さん)。 ゆでためんとスープを鉄板の上で絡めながら温めた後、チャーシューやもやし、メンマ、なるとなどを盛りつけ、鉄板の鍋にのせたまま提供する。ジュージューと音を立てて運ばれてくるので、他の客からの注目度も抜群だ。 食べるときは、めんと具、鍋の底にわずかに残っているスープをぐちゃぐちゃに混ぜ、全体に味をなじませるのがポイント。しょうゆの香ばしいにおいと、スープが染み込んでつやつやと光っためんが食欲をそそる。ラー油やコショウをかけてもおいしい。 ラーメンでもなく、焼きそばでもない。なんともとらえどころはないのだが、くせになりそうな不思議な食べ物だ。 (2005年6月9日 読売新聞)
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