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ブランチ アユのにゅうめん

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撮影・横山就平

香ばしい皮 身ほろり

 6月のテーマは「ブランチ」。少し遅く起きた休日は、朝食と昼食を兼ねた食事をゆったりと楽しみたい。日本料理店「ラ・ボンバンス」料理長の岡元信さんは、香ばしく焼いたアユとともにいただく、にゅうめんを教えてくれた。とろりとまろやかな半熟卵も添えられ、ほっとできる一品だ。(森谷直子)

 一年中スーパーにあるアジやイワシとは違い、アユというと、何となく身構えてしまう。アウトドアか、それこそ岡元さんの店のように、しゃれた和食店でいただくものというイメージがあり、家で料理したことはなかった。

 ところが、岡元さんは「フライパンで焼けばいいんですよ」と言う。「アユ漁の解禁は、1年に1度の楽しみ。そういう季節感のある食材を、家庭でももっと気軽に味わってほしいんです」。肩の力が抜け、すぐに試したくなった。

 オリーブオイルを熱したフライパンで、3〜4分間じっくりと焼く。裏側もよく焼いた後、ふと見ると、岡元さんがアユを端に寄せ、腹がフライパンの底に当たるように、フライ返しで支えている。「こうしないと、よく焼けないので」。背側も同様に焼く。

 ゆでたそうめんに熱々のつゆを張り、こんがり焼けたアユをのせる。皮は香ばしく、身はほろりと崩れる。めんとつゆとの相性も良く、優しい味わいだ。オリーブオイルがほどよいコクを加えている。

 名脇役は半熟卵。めんにとろりと絡む。絶妙なゆで加減は職人技かと思いきや、沸騰した湯に卵を入れると、岡元さんはタイマーを「6分40秒」にセットした。「30秒では早い。50秒では遅いんです」

 ホテルに勤めていた頃、毎日卵をゆでるうちに、このゆで時間にたどりついた。「ただし、これは卵が常温の場合。ゆでる20分ぐらい前に冷蔵庫から出しておいて下さい」。卵を湯から出したら、余熱で火が通らないよう、氷水につけて素早く冷やすのもコツだ。

 ■材料2人分

 そうめん2食分/だし680cc/薄口しょうゆ40cc/みりん40cc/アユ2匹/卵1個/削り節、オリーブオイル、ミョウガ、オクラ、ジュンサイ各適量

 ■作り方

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 《1》そうめんは硬めにゆでる。

 《2》だし、薄口しょうゆ、みりんを火にかけ、削り節を加え(追いガツオ)、キッチンペーパーでこす。

 《3》卵は沸騰した湯に入れて6分40秒ゆでる。黄身が真ん中に来るように、最初の1分間ははしで回す。氷水に入れ、殻をむき、盛りつける直前に半分に切る。

 《4》アユは、火が通りやすいように、全体を竹串でブツブツ刺す。余分な水分を出してくさみを取るため、焼く20〜30分前に軽く塩を振っておく。

 《5》ミョウガは千切り、オクラはさっとゆでて刻み、ジュンサイは流水で洗う。

 《6》フライパンでオリーブオイルを熱し、〈4〉をこんがりと焼く。

 《7》ゆでたそうめんを器に盛り、熱々の〈2〉を注ぎ、〈3〉、〈5〉、〈6〉をのせる。

 岡元 信さん(日本料理店料理長)

 岡元さんの店「ラ・ボンバンス」(東京・西麻布)では、だしにマグロ節を使う。癖のないさっぱりとした味が特徴で、カツオ節と混ぜることで、上品な仕上がりになるという。今回使ったのは「カツオ節3対マグロ節7」の割合。「追いガツオ」として後から足す分も、この「削り節ミックス」を使った。優しい味は、マグロ節のなせる技だったのだ。

 削って混ぜてしまうと、見た目では2種類の区別がつかない。ふわふわの削り節をひと切れ口に入れると、芳醇な香りが口いっぱいに広がった。

漁の解禁は6月1日前後

 アユは、夏の訪れを告げる魚だ。アユ漁の解禁日は、産地によって違うが、多くは6月1日前後。

 岡元さんが店で出すのは、熊本県・球磨川産が多い。「焼いた時の香りがすごくいいんです」。今回は、別の産地の放流もののアユを使った。「天然アユは高価だし手に入りにくいので、ご家庭ではこだわる必要はないですよ」

2009年6月6日  読売新聞)
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