知ってる? チーズこっそり値上げロシア、中国で需要急増…価格そのまま量減らす中国などで消費が拡大し、ナチュラルチーズの国際相場が急騰している。輸入ナチュラルチーズを原料として国内メーカーが生産するプロセスチーズなども値上げを余儀なくされているが、希望小売価格を抑えたまま商品の容量を少なくしている例が目立つ。“見えにくい値上げ”が行われている実態を、消費者も知っておく必要がありそうだ。 国内メーカーなどで作る「チーズ普及協議会」(東京)によると、日本では、加工して保存性を高めたプロセスチーズなどの原料となるナチュラルチーズの大半を、海外からの輸入に依存している。オーストラリア、ニュージーランド、欧州からの輸入が多いが、最近は中国やロシアで、食生活の変化、経済発展によってチーズの需要が急増するなどして、輸入価格が2003年の上半期に比べて、現在は40%ほど上昇しているという。 同協議会専務理事の伊藤晋治さんは、「過去に例のない高騰で、原料の値上がり分を製造段階で吸収できなくなっています」と話す。 ところが、国内のほとんどのメーカーは、店頭での希望小売価格を高くする「値上げ」の代わりに、主力商品を中心に「容量変更」と呼ばれるサイズダウンを今年春から秋にかけて実施している。 例えば、雪印乳業(本社・東京)の「ベビーチーズ」(4個入り80グラム、150円)は、9月から1個あたりの容量を20グラムから18グラムに1割減らし、4個入りで72グラムに変更した。希望小売価格は150円のままなので、1グラム単位で換算すると約0・2円の値上げとなっている。 明治乳業(同)の「カマンベール入り6Pチーズ」(6個入り150グラム、300円)の場合は、10月から1個の容量を25グラムから20グラムに減らし、希望小売価格も300円から250円に下げた。だが容量が減った分の値下げにはなっておらず、1グラム単位では約0・08円の値上げとなっている。 すべての商品について変更があったわけではなく、雪印乳業では「パッケージの大きさを変える必要がある箱入りのものなどは除外し、袋詰めの商品などを対象にしました」としている。 新たな容量はパッケージなどに表示されているが、変更の経緯や事実上の値上げになっていることなどは、消費者向けにほとんど説明されていない。これについて六甲バター(本社・神戸市)では「ふだんの価格が変わることには抵抗感があると見られるので、容量の方を少なくする手段を採用しました」と話す。 今後についてメーカー側は、「高騰が続くようであれば、値上げも視野に入れて検討せざるを得ない」(明治乳業)などと見ている。 日本消費者連盟事務局長の水原博子さんは、「私もチーズを買うけれど、気付きませんでした。これは値上げ隠しです。理由や経緯を消費者にきちんと説明しないと、企業に対する信頼感は失われてしまいます」と話している。 国内メーカーのチーズのサイズと希望小売価格(税別)の変更例 【雪印乳業】 ベビーチーズ(4個入り80グラム150円→同72グラム150円) とろけるナチュラルチーズ(クッキング用)(200グラム360円→180グラム330円) 【六甲バター】 QBBベビーチーズ(4個入り80グラム160円→同72グラム160円) QBB徳用スライス(16枚入り256グラム400円→同240グラム400円) 【明治乳業】 明治北海道十勝ベビーチーズ(4個入り80グラム150円→同72グラム150円) 明治北海道十勝カマンベール入り6Pチーズ(6個入り150グラム300円→同120グラム250円) 【森永乳業】 クラフトカマンベール入り6P(6個入り150グラム300円→同120グラム250円) (2005年11月19日 読売新聞)
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