洋風カツ丼?新潟・長岡では昔から愛されてます 新潟県長岡市で昔から市民に愛されてきた「洋風カツ丼」を、安くておいしいB級グルメとして全国区の知名度にしようと、同市のNPO法人「復興支援ネットワーク・フェニックス」(樋口勝博代表理事)などがプロジェクトを始動させた。 全国で熱を帯びる“ご当地グルメ”を生かした地域おこしに注目した。関係者は「地域活性化につなげたい」と期待を寄せる。 洋風カツ丼とは、ごはんの上に豚カツを載せ、ケチャップやデミグラスなどのソースをかけた料理。1931年に同市で創業した洋食店「小松パーラー」(閉店)が発案した。 同NPO法人は、各地の名物料理がB級グルメとして世間から注目を浴びていることから、「昔からあるもので地域活性化を図りたい」と思案。今年、市や長岡商工会議所などで、「長岡ご当地B級グルメ化プロジェクト実行委員会」を発足させた。 委員会では、洋風カツ丼を提供する飲食店を示す専用ののぼり旗を作成、市内25店舗で店先に掲げた。飲食店マップも1万部を製作し、市内の観光施設などに配布。今年8月には、長岡や見附、小千谷市内で配布されているフリーペーパー「まるごと生活情報」で特集を組むなど、知名度アップに力を入れている。 フリーペーパーの配布後、これまで洋風カツ丼を提供してきた老舗の店などでは注文が急増、学生などの若者にも人気が広がっているという。 樋口代表理事は「個々の店ではなく地域で手を携えてやっていく。長岡での共通メニューは他にはない」と話す。今後、B級グルメの全国大会などに出場して長岡をPRしていく。 ◆原点の味、人気急上昇◆ 長岡市内で洋風カツ丼を提供する飲食店は多数あるが、メニュー発祥店「小松パーラー」のケチャップ系ソースを継承する唯一の店が「レストラン ナカタ」(同市坂之上町)だ。 同店の顧問・中田将富さん(69)は、兄が小松パーラーで働いていた縁で、中学卒業の翌日から働き出した。店長だった故・本田正人さんの下で厳しい修業を積み、本田さんが生み出したケチャップや赤ワイン、しょうゆなどで作るソースのレシピを習得した。独特な甘みが特徴だ。 32歳で現在の場所に店をオープンして以来、定番のカレー以外に洋風カツ丼も提供し続けてきた。だが、最近までは洋風カツ丼の注文は姉妹店と合わせても1か月に10皿程しか出ず、客も60歳代以上の人が目立っていた。 しかし、今年8月にフリーペーパーで洋風カツ丼の特集が組まれると、客層は学生や小さな子供連れなどにも広がり、10月は計980皿の注文が殺到した。中田さんは「洋風カツ丼がこんなに話題になるなんて、小松パーラーのオヤジが近くにいるようだ」と目を細める。 「これをただのブームで終わらせてはいけない」と中田さん。「私が死んでもこの味は変えない」と、昔ながらの味を守り続ける。 (2009年11月16日 読売新聞)
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