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    本選

    東洋・服部、1区区間賞にも「うれしさが欠ける」

    • 1区区間賞の服部(東洋大)
      1区区間賞の服部(東洋大)

     1区を制したのは服部弾馬(はずま)(東洋大4年)だった。実力的に抜きん出ていて、順位だけを見れば当然の結果だが、好天、ほぼ無風の好条件だったにもかかわらず、タイムは1時間3分56秒に終わった。2位の鬼塚翔太(東海大1年)に1秒、3位の武田凜太郎(早大4年)に3秒差しかつけることができなかった。

     昨年の1区区間賞(青山学院大・久保田和真)より2分34秒も悪い。「うれしさには少し欠ける」。レース直後のエースに笑顔はなかった。

    「最初の5キロ遅すぎた」

     服部は作戦通り、5キロ付近で飛び出した。

     しかし、鬼塚と石川颯真(日大4年)がつき、その後、再び大集団になった。「5キロでスパートして、新八ツ山橋(約7.5キロ)まで速いペースを続けて、後続を振り切る予定だった。そこで切れなかった。最初の5キロが遅すぎたので、みんなついてこれた。集団にのまれた」

     最近の箱根駅伝は高速化しており、特にスタートダッシュが鍵を握る1区はハイペースになることが多い。ところが、今回の最初の5キロは16分5秒。明らかなスローペースだった。

    「みんなけん制していた」

     理由として考えられるのは、皮肉なことに、服部という超一流ランナーが1区にエントリーしていたことだ。1区は用意ドンのスタート。他校の選手は、集団にいる服部が気になって飛び出そうにも飛び出せない。実際、鬼塚は「みんなけん制していた」と証言。「監督からはハイペースになると言われていた」ため、予想外の展開に驚きながらも「(自分は)ラストのラストまでしっかりためて、3位以内を狙った」と飛び出す考えはなかった。昨年11月の上尾ハーフを制し、服部のライバルと目された武田は、どんなレース展開でも対応できるのが持ち味で、自ら仕掛けるタイプではなかった。

     つまり、ペースを上げることができたのは、服部以外に考えられなかった。

     「自分が逆の立場であれば、当然、(服部という選手を)警戒する。レースの中で軸となる選手が自分だったので、自分が行かなかったのが遅くなってしまった原因。自分がレースを作らないといけなかった」。服部はレース展開を悔いた。

     ラスト1キロでスパートして区間賞は取った。だが、「区間賞は当たり前」と考えていただけに、後続に差をつけられなかったことは悔しい。「最低でも30秒は開かないといけないと思っていた。クリアできなかったのは悔しいところです」。服部にとって最後の箱根駅伝は、区間賞に輝きながらも、複雑なものになった。 (編集委員・三宅宏)

    2017年01月02日 12時40分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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