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    戦力分析

    【箱根駅伝出場21チーム紹介〈11〉】“山の神候補”順大・山田「神になりたい」

    • 前回と同じ5区の山上りに挑む順大・山田攻(カメラ・生澤 英里香)(スポーツ報知)
      前回と同じ5区の山上りに挑む順大・山田攻(カメラ・生澤 英里香)(スポーツ報知)
    • ガッツポーズで気合を入れる長門監督(前列右端)ら順大チーム(スポーツ報知)
      ガッツポーズで気合を入れる長門監督(前列右端)ら順大チーム(スポーツ報知)

     順大の注目選手は今季学生NO1エースの塩尻和也(3年)だけじゃない。山田攻(3年)は1万メートルの自己ベストこそ29分56秒69にとどまるが、5区を走れば前回区間5位の実力者。“山の神候補”は「塩尻より目立ってやる」とインパクト大の走りを約束し、07年以来11年ぶりの往路優勝へ導く。

     山を愛し、山に愛された男、山田が今年も5区を攻める。「山がなかったら陸上を続けていなかったかもしれない。自分には5区しかない」。狙うは前回区間5位の1時間14分12秒を上回るタイム&順位と、往路優勝のゴールテープだ。

     福島・学法石川高時代は目立った実績がなく、自分では「好きだけど得意と思ったことはない」という山上りの適性を買われて入学した。1年の5月に初めてコースを見て「いける」と思ったが、初めて走った前回は「残り2キロは覚えてない。もう走りたくない」ほど苦しかった。しかし3月に箱根ターンパイクで行われた「山道最速王決定戦」を走ると、不思議と「また頑張ろう」と思えた。

     同じ福島出身の山の神々の系譜を継ぐ。大学OBの「初代」今井正人(トヨタ自動車九州)からは「ラップタイムは気にせず、リズムを大切に」とアドバイスを受けた。走りの理想は「2代目」の柏原竜二(東洋大―富士通)。通常より少し回転数を上げて一定のリズムを保つことを意識している。毎日走る時間を少しずつ増やして基礎走力アップに努め、腹筋や懸垂逆上がりで上半身の筋力をつけた。全日本大学駅伝で7区を走り「平地でもメンバー入りできた」と自信を持てた。

     「今回は厳しいかもしれないけど、最終的には神になりたい。区間賞を取れば往路優勝できる」と野望を胸に秘める。もう一つのモチベーションは「僕は箱根でしか活躍できない。塩尻より目立ってやろうと思っている」。寮で隣室の学生NO1エースよりも、箱根で輝いてみせる。(大和田 佳世)

    ◆戦力分析

     目標の往路優勝へ1区が課題になる。出雲(4位)、全日本(12位)ともに出遅れた。重圧がかかる区間には前回4区区間賞の栃木主将が「1区で勢いをもたらしたい」と立候補。2区で待つ塩尻は11月26日に1万メートル日本学生歴代4位となる27分47秒87を出した。おっとりした口調ながら「学生NO1という意識はないけど負けたくない部分はある。自分が何とかする」と頼もしい。

     5区の山田も計算が立ち、長門俊介駅伝監督(33)は「距離が長い分、多少の遅れは取り戻せる」と余裕で構える。前回経験者の難波、橋本も順調に力をつけている。前回から8~10区が抜けた穴を埋め“復路の順大”らしい走りができれば、総合優勝の可能性も十分にある。

     ◆山田 攻(やまだ・こう)1997年1月17日、福島・郡山市生まれ。20歳。小学校のマラソン大会で1位になりたくて走り始め、中1から本格的に陸上を始める。学法石川高1、2年時に全国高校駅伝に出場。趣味は寝ること。家族は両親と兄・天峰さん(大4)、弟・海州さん(高3)。名前の由来は「小さい頃聞いたけど忘れた」。162センチ、50キロ。

     ◆順大 1952年創部。箱根駅伝には58年に初出場。66年に初優勝し、歴代4位の11回の優勝を誇る。出雲駅伝は優勝3回(99~2001年)。全日本大学駅伝は00年に優勝し、同年度は学生駅伝3冠。長距離部員は選手66人、学生スタッフ4人。タスキの色は白地に赤。主な陸上部OBはマラソン指導者の小出義雄氏、「初代山の神」今井正人、08年北京五輪400メートルリレー銅メダルの高平慎士氏ら。

    (スポーツ報知)

    2017年12月20日 12時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun