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    若鶏の炭火焼き ◎チキンペッカー(札幌市厚別区)

    皮目パリッ 中はしっとり

    • 1人前(半身)でモモ、胸肉、手羽と3種類を楽しめる「炭火焼き」。左奥はデリチキバーガー
      1人前(半身)でモモ、胸肉、手羽と3種類を楽しめる「炭火焼き」。左奥はデリチキバーガー

     地下鉄・新さっぽろ駅の近く、郊外にありながら、クチコミで多くの観光客が訪れる店がある。だが、人気メニューは、札幌名物のラーメンでもジンギスカンでもない。1991年に〈チキンのおいしい食べかた専門店〉と銘打ってオープンした「チキンペッカー」だ。

     代表取締役の笹谷信浩さん(53)は札幌生まれ。もともとは販売情報を管理する「POSレジ」の大手メーカーで営業マンとして働いていたが、外食産業に関わる中で「日本発のチキン専門店をチェーン展開したい」という野望に燃え、29歳の時に脱サラした。

     そんな笹谷さんの熱い思いに賛同してくれたのが、十勝を中心に展開する「鳥せいチェーン」の社長だった。清水町にある本店の屋根裏部屋に3か月ほど泊まり込み、鶏肉の扱いや調理法を徹底的に学んだという。

     メニューの主軸を担う鶏肉は、すべて十勝・中札内村の契約農場から毎日仕入れている。なかでも、笹谷さんがこだわるのは、生後33日から35日の小雛こひな。「脂肪分が少なく、軟らかな肉質、コクのある味わいが抜群なんです」

     一番人気の「炭火焼き」は、その若鶏を塩・コショウでシンプルに味付けし、一晩寝かせてから炭火でじっくり焼き上げたもの。焼きたてを頬張ると、皮目はパリッと香ばしく、中はしっとりふっくらの食感が絶妙だ。熱々はもちろん、冷めてもジューシーで味が落ちないのは「独自の方法で、肉の隅々まで均一に味を染み込ませているから」だという。

     炭火焼きと人気を二分する「から揚げ」は、直前に片栗粉をまぶし、特製の穀物油でサクッと揚げる。この二本柱のメニューで、クリスマス前後の3日間には、約8000羽分が売り切れるというから驚きだ。

     また、チキンパティや炭火焼き、から揚げなどを使い、道産小麦の特注バンズで仕上げる7種類のバーガーシリーズや、丼メニュー、道産素材を生かした季節限定のスープも、それぞれに根強いファンを持つ。

     生産者を訪ね歩き、自分の足で見つけた食材で、珠玉のヒットメニューを生み出してきた笹谷さん。「今はチェーン展開したいとまったく思わない。“一店入魂”で、チキンのおいしさを追究していきたいです」

     テイクアウト中心だが、2階には木のぬくもりあふれるイートイン席も。テーブルには、笹谷さんが心を込めて飾る、季節の花がさりげなく咲いている。

    (文・葛西麻衣子 写真・藤倉翼)

    【住 所】 札幌市厚別区厚別中央2の4の11の39 (電)011・894・2989

    【営業時間】 午前10時~午後8時。元日以外は年中無休

    【主なメニュー】 炭火焼き(1人前)、から揚げ(同)各864円、デリチキバーガー490円、タツタチキンバーガー390円、ペッカーズバーガー410円、バーガーセット690円~、とりから丼590円など

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2016年03月10日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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