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    スティンコ(豚すね肉のロースト) ◎アンティーカ トラットリーア フォルトゥーナ グランデ(札幌市中央区)

    香りと照り 威風堂々

    • 2~3人前のボリュームがある迫力の「スティンコ」。量がたっぷりのメニューが多いので、グループでの利用がおすすめ
      2~3人前のボリュームがある迫力の「スティンコ」。量がたっぷりのメニューが多いので、グループでの利用がおすすめ

     皿が運ばれるたびに、わっと歓声が上がる。ハムやパテがはみ出さんばかりに並ぶ自家製加工肉の盛り合わせ、迫力のステーキなど、イタリア料理店「フォルトゥーナ グランデ」のシェフ、佐藤幸大さん(32)の肉仕事に、テーブルは大いに盛り上がる。

     自身が「もっとも好きな料理」と話すこの「スティンコ」もまたしかり。香りといい、照りといい、威風堂々とした姿にもまた、心をわしづかみにされるのだ。

     スティンコは、佐藤シェフが修業したイタリア北部の定番料理。骨付きの豚すね肉を3~4時間かけて焼き上げる。肉汁と香味野菜がうま味となって鍋肌につくと、白ワインでそれをぬぐい落として焼く……という工程を何度も繰り返す。照りの正体はそこにある。

     食べ方も豪快にいきたい。ナイフや手を使って肉をほお張れば、素材のうま味が混然一体となった、直球ど真ん中のおいしさがある。

     別皿で来る付け合わせの野菜は、野菜から出る水分で蒸し焼きにしている。量、種類、味ともに存在感たっぷりだ。

     佐藤シェフは稚内市出身。魚の町で肉にあこがれて育ったやんちゃな青年は、「自分の城を持つ」という野望を胸にイタリア料理の世界に入る。出会いと機会に恵まれ、イタリアへ。現地で過ごした1年は料理観を変え、文化に触れ、理論や技術を学ぶ刺激的な時間だったという。

     帰国後はさまざまな店で働き、農家仕事も経験して昨年11月、札幌・中央区の狸小路近くに店を構えた。

     店名に“アンティーカ トラットリーア”と冠しているが、これはイタリア語で王道の定食屋という意味だという。「誰もがつくれるけれど、誰とも同じではない。そんな日常にしっかり根をおろしたクラシックな料理を自分なりに工夫し、お出ししています」と、笑顔で語る。現地では定番のズッパ(スープ)がメニューに多いのも、その思いから。

     ちなみに「フォルトゥーナ グランデ」を直訳すると、“大きな幸運”なのだそう。自身の名前にもつながる店名に、「食べる人が幸せを感じてもらえる店を」との願いを込めた。名は体を表す。あらためてそう思うのだ。

     (文・小西由稀 写真・山本顕史)

    【住 所】 札幌市中央区南2西7 日宝南2条ビル2階(西向き) (電)011・213・0432

    【営業時間】 午後6時~午前1時、ランチは土日のみ(午前11時30分~午後2時)。木曜休

    【主なメニュー】 スティンコ2500円、白インゲンとレンズ豆とパンのスープ1000円、レモンのスパゲッティ1200円、グラスワイン600円

     ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2016年03月17日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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