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    自家製餃子 ◎446(札幌市中央区)

    肉あんを包む 魚だし

    • 岩のりがたっぷり入った餃子。1皿4個入りだが、個数は相談できる
      岩のりがたっぷり入った餃子。1皿4個入りだが、個数は相談できる

     あともう一軒……。年度末、年度初めのこの時期、「宴会料理だとどうも食べた気がしなくて」「付き合い疲れで飲み直したい」という人も多いのではないだろうか。一日の締めにうまい料理と酒を求める人に薦めたいのが、昨年6月に札幌・ススキノに開店した「446(ヨンヨンロク)」だ。

     「何屋かと聞かれるのが一番困りますが、強いていえば深夜食堂でしょうか」。そう話すのは、店主で料理を担当する浅井拓樹さん(44)。夜8時に店を開け、店じまいは明け方になる。なるべく道産の素材をと心がけ、気軽なつまみから空腹を満たす食事までそろうが、材料さえあれば、メニューにない料理も相談可能だ。まさにマンガやドラマでおなじみの「深夜食堂」の世界である。

     446で断トツの人気を誇るのが、「自家製餃子ギョーザ」。3種類ある餃子のメニューは日替わりとまではいかないが、短い周期で内容が変わる。それも変化球が多い。

     角煮、フォアグラ、ポルチーニたけ、タコ、しらすなど、「これまで同じものを作ったことはない」と、浅井さん。なかには味を想像するのが難しいものもあるが、肉あんと具のバランス、さらには全体をまとめる魚だしが味の要となる。

     ソイやヒラメなど、姉妹店の和食店で使う魚のアラでだしを取り、これをじっくりと煮詰める。道産豚とむかわ町の「小坂農園」から届くニラをしっかりと練った肉あんに具材、そして煮こごり状になった魚だしをまんべんなく練り込むのだ。

     焼き色も羽も美しい餃子は、長さ9センチはあろうかという大きさ。たまらずほお張れば、皮はパリッと、そして小龍包ショウロンポーのスープのように、肉汁と一体となった魚だしがあふれ出る。この日は岩のり餃子を頼んだが、岩のりの風味、春ニラの香りを包み込むように、上品な魚だしの余韻が続く。

     深夜メシでも罪悪感なく楽しめる軽やかさは、油を極力使わずに焼くという技と気遣いにある。「ラーメンの代わりの“締め餃子”にしようと来る方、餃子と炒飯チャーハンで定食風に食べる方など、1日100個以上は出ます」と、店長の大塚孝平さん(26)。

     料理のほか、酒の種類が豊富なのもうれしい。飲んで食べて、深夜や明け方に心まで満腹にできる。価格も良心的。だから次の深夜にも足が向いてしまうのだ。

     (文・小西由稀 写真・山本顕史)

    【住 所】 札幌市中央区南4西4 MYプラザビル6階 (電)011・200・9446

    【営業時間】 午後8時~オーダーストップ午前4時。不定休(日曜が多いが、問い合わせを)

    【主なメニュー】 自家製餃子(1皿4個)各700円、虎杖浜産焼きタラコ450円、道産鶏のウィスキーザンギ900円、たくチャーハン700円、本日のみそ汁250円、日本酒650円~、ウィスキー600円~、瓶ビール700円

     ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2016年03月31日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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