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    お茶屋さんの鮭茶漬け ◎茶寮 桑名園(札幌市中央区)

    独自ブレンド 香り立つ

    • 焼き鮭の塩気と、お茶のうま味、甘みが上品に溶け合う「お茶屋さんの鮭茶漬け」。夏は冷製タイプも人気だ
      焼き鮭の塩気と、お茶のうま味、甘みが上品に溶け合う「お茶屋さんの鮭茶漬け」。夏は冷製タイプも人気だ

     札幌は自家焙煎ばいせん珈琲コーヒー専門店が多い街と言われているが、日本茶の専門店は、なぜか少数派。そこで、お茶好きはもちろん、初心者にもお薦めしたいのが、昨年9月、南円山にオープンした「茶寮 桑名園」だ。

     店主の桑名大輔さん(45)は、もともとスキューバダイビングのインストラクター。フィリピンのセブ島でダイビングショップを経営する海の男だったが、病気で体調を崩したことで、人生の転機を迎える。妻の麗子さん(37)と出会い、二人三脚で何かできないかと考えた時、真っ先に浮かんだのが日本茶だった。

     というのも、桑名さんの実家は、創業70余年という老舗の製茶販売店。「物心がついた時から、お茶は暮らしの一部でした。味噌みそ汁代わりにお茶を飲んでいましたから」と桑名さん。開業を決意してからは、お茶の知識を一から学び直し、日本茶インストラクターの資格も取得したという。

     日本茶のメニューは、全国の産地から新鮮な茶葉を取り寄せ、個性やバランスを考慮しながら独自にブレンド。注文を受けてから桑名さんが専用のカウンターで丁寧にれ、ベストな状態で提供する。種類や茶葉の量などによって湯加減を変え、香りや甘みを引き出すのも腕の見せどころだ。

     なかでも、ぜひ味わってほしいのが「玉露」。「一煎いっせん目はうま味や甘みが濃いので、舌の上で転がすようにじっくりと味わってみてください」という桑名さんの言葉通り、口に含むと、とろりと濃厚な甘みが広がり、ふくよかな余韻が残る。

     二煎目以降は、お茶に添えられる「ユリ根のきんとん」をひと口含み、ほんのり渋みが加わったお茶とのマリアージュを楽しみ、最後は茶がらにカツオ節と醤油しょうゆをかけて、お浸しとして味わえるのもオツだ。

     麗子さんが手作りする、お茶を使った食事メニューや和スイーツも好評で、とりわけ「お茶屋さんのさけ茶漬け」は幅広い層に人気が高い。煎茶で炊き上げた茶飯に茶葉を混ぜ、ほどよい塩加減の焼き鮭を乗せて、お茶漬け用にブレンドしたお茶を注ぐ。だしにも似たいい香りが立ちのぼり、薬味の海苔のりや三つ葉の香りと相まって、さじが止まらない。

     今月中旬からは、新茶が続々と届くという。花見もいいが、新茶の香りで日本の春を感じるのもいい。

     (文・葛西麻衣子 写真・藤倉孝幸)

    【住 所】 札幌市中央区南6条西26の3 ガーデンハウス ラ・モード円山アプローズスクエア地下1階 (電)011・533・8557

    【営業時間】 午前11時~午後6時半(ラストオーダー午後6時)。月曜休(祝日の場合は営業し、翌日休)

    【主なメニュー】玉露864円、かぶせ茶810円、煎茶702円~、深蒸し煎茶648円、焙(ほう)じ茶あんみつ810円、お茶屋さんの鮭茶漬け(温・冷)1080円、冷たい茶そば864円など

     ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2016年04月07日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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