<速報> 横綱稀勢の里、休場を届け出
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    黒千石の塩豆大福 ◎ささや大福(札幌市中央区)

    自家製の餡 優しい甘さ

    • 昼過ぎに売り切れることもあるという大福のラインアップ。(手前中央から時計回りに)塩豆、きなこ、よもぎ、くるみ、春限定のいちご
      昼過ぎに売り切れることもあるという大福のラインアップ。(手前中央から時計回りに)塩豆、きなこ、よもぎ、くるみ、春限定のいちご

     普段はもっぱら辛党なのだが、無性に甘い物が恋しくなる時がある。とりわけ最近は、いわゆるスイーツではなく、豆の素朴な甘さにこそ心ひかれる。

     そんな時に向かう店が、昨年8月、札幌の円山地区にオープンした「ささや大福」だ。引き戸を開けると、小さなショーケースに、コロンとまん丸い大福が行儀よく並んでいる。

     店主の中村敦俊さん(51)はベテランの和菓子職人かと思いきや、開店前はススキノで17年もソウル&ジャズバーを経営していたというから驚きだ。異色の転身を遂げたのは「子どもが生まれたのが一番の理由。子育ての時間がほしかったのと、食の安全について考えるようになったのがきっかけです」とほほえむ。

     旭川にある実家が老舗の餅店だったこともあり、幼い頃から親しんできた餅菓子の店を開こうと思い立った。「経験がないのであれこれ手は出さず、大福のみに絞って勝負しようと思いました」。決意してからは旭川に通い詰め、もち米の扱いやあんの仕込みなど、職人の父からすべて手ほどきを受けたという。

     大福に使用するもち米は、北竜町産の「風の子もち」。防腐剤、保存料はいっさい使わず、米の自然な甘味と、しっかりとした歯ごたえを生かすのがこだわりだ。

     一番人気の塩豆大福には“黒いダイヤ”と呼ばれる、北竜町産の希少な極小黒大豆「黒千石」を使用。これを餅にたっぷり混ぜ込み、十勝産小豆を丁寧に炊き上げた自家製の餡を包み込む。

     ぷっくりとした大福にかぶりつくと、弾力のある餅にほどよい歯ごたえの黒豆がアクセントをつけ、ほんのり塩を利かせた優しい甘さのつぶ餡と楽しく調和する。「なるべく甘さを控えめにして、塩を適度に加えることで、逆に甘みが引き立つんです」と中村さん。

     店の定番はこの塩豆大福と、風味豊かな「よもぎ大福」、沖縄産の黒砂糖を使ったこし餡入りの「くるみ大福」、「きなこ大福」の4種類。この時期はもう一つ、仙台産のイチゴ「もういっこ」とこし餡を合わせた春限定の「いちご大福」も販売している。

     「生産者の苦労を思うと、自分の仕事もおのずと丁寧になる。手間暇を惜しまず、とにかく真摯しんしに作ること。父にもそう教わりました」

     買った翌日には硬くなってしまうが、それは生真面目な大福である証しだ。

     (文・葛西麻衣子 写真・藤倉孝幸)

    【住 所】 札幌市中央区大通西24の1 (電)011・688・6827

    【営業時間】 午前9時~売り切れ次第終了。日曜休

    【主なメニュー】 黒千石の塩豆大福160円、濃厚よもぎ大福180円、黒糖あんのくるみ大福180円、黒糖あんのきなこ大福180円、いちご大福(5月下旬まで)200円

     ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2016年05月12日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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