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    札幌軟石の石窯焼きパン ◎cafe スロープ(札幌市中央区)

    もっちり 優しい甘み

    • 一番人気のトースト(バター+あんこ)。店頭販売のパンはすべて店内でも味わえる
      一番人気のトースト(バター+あんこ)。店頭販売のパンはすべて店内でも味わえる

     札幌市の藻岩山麓通から側道へ入った、円山西町の閑静な住宅地。道沿いの小さな看板から急な坂を上ると、白壁の古民家が見えてくる。

     「cafe スロープ」は、札幌軟石の石窯を使い、薪火まきびで焼き上げる自家製パンが評判のカフェ。昨年10月に開店したばかりだが、パン好きの間でじわじわと人気を呼んでいる。

     二人三脚で店を切り盛りするのは、田頭苑子さん(42)と伊藤美子さん(38)。2人はもともと新聞社で働いていた同僚で、所属部署が東京へ移転したのを機に、「札幌から離れたくない」と、そろって退職することに。「いつかカフェをやりたい」と温めていた、互いの夢を実現した。

     築50余年の建物は、かつて伊藤さんの祖父母が暮らしていた古民家を、家族や友人に手伝ってもらい、自分たちでコツコツ改装したという。2階のカフェスペースには、祖父母が愛用していた家具がさりげなく配され、懐かしい昭和の香りに、心がほっこり和む。

     看板商品の食パン「マーチ」は、道産小麦キタノカオリを中心に使用。道産米のピューレを加えて発酵させてから、約200度の石窯で40分ほどかけてじっくり焼き上げる。

     カフェの一番人気は、この食パンを使った3センチほどの厚切りトーストにバターをたっぷり塗って、自家製あんを添えた「バター+あんこ」。熱々を頬張ると、外はサクッと香ばしく、中はしっとりもっちりとした食感で、ほんのり優しい甘さが舌に残る。ふわりと鼻を抜ける小麦の余韻もパン好きにはたまらない。

     独特の食感や甘みは、米のピューレがポイント。「試行錯誤を繰り返し、ようやくたどり着いたレシピです。毎日食べてもらえる味を目指しました」と伊藤さん。

     道産小豆「きたろまん」を使い、2日間かけて丁寧に仕上げる自家製あんも、豆の風味がしっかり生きて滋味にあふれている。

     パンは数量限定なので、来店前に電話で確認するのがおすすめ。予約もできる。

     また、炭火焙煎ばいせんのコーヒー店「暮らしと珈琲コーヒー みちみち種や」にブレンドしてもらったというオリジナルのコーヒーも、苦味と甘味のバランスが絶妙で、スロープのパンと相性抜群だ。

     メニューはシンプルだが、どこを切り取っても、2人の実直な思いと手間暇が、にじみ出ている。

     (文・葛西麻衣子 写真・藤倉孝幸)

    【住 所】 札幌市中央区円山西町7の7 (電)011・676・7138

    【営業時間】 午前10時~午後6時(土日祝日は午前8時から)。木・金曜休

    【主なメニュー】 <店頭販売>食パン「マーチ」400円、あんぱん150円、黒糖レーズン150円、ソーダブレッド各種180円など<カフェメニュー>トースト=バター250円/バター+あんこ300円/コーンクリーム350円、日替わりピザ(1カット)220円~、コーヒー450円など

     ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2016年07月07日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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