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    冷製カッペリーニ ◎TAKAO(札幌市中央区)

    ウニの甘み 魚醤と調和

    • ウニを使った贅沢なパスタ。正式なメニュー名は「積丹佐藤さんの海水ウニと支笏湖のヒメマス魚醤を使った冷製カッペリーニ」という
      ウニを使った贅沢なパスタ。正式なメニュー名は「積丹佐藤さんの海水ウニと支笏湖のヒメマス魚醤を使った冷製カッペリーニ」という

     天才的なひらめきと独創性をあわせ持つシェフが生み出すコース料理は、芝居や生演奏のコンサートに似て“一期一会”であると思う。同じものは二度と作れないからこそ、それが最高レベルに近づけば、客は至上のよろこびに浸れるはず。

     そんな腕利きが、札幌の閑静な円山住宅街にあるイタリア料理店「TAKAO」オーナーシェフの高尾僚将ともゆきさん(42)。旭川出身で高校卒業後、東京の料理専門学校でフランス料理を学び、本場で2年ほど修業した。

     帰国後は、東京と札幌の有名店で腕を磨き、「道産食材の持つ力強さにひかれました」とフレンチから素材中心のイタリアンへ転向。2009年に独立して「oggi」を開店し、人気を博す。その旧店舗を全面リニューアルして昨年12月にオープンしたのが、このリストランテである。

     「食材の火入れ加減や切り方を工夫しています」と語る高尾シェフは、料理のカテゴリーにこだわらず、イタリアンをベースに独創的な一皿を目指す。例えば、千両ナスにポルチーニたけ、白糠サフォークに山菜のイケマを組み合わせるなど、意表を突くメニューが多いのだ。

     夏のコースに登場する「冷製カッペリーニ」もそのひとつ。“天使の髪の毛”と呼ばれるほど細麺のカッペリーニ(直径1ミリ前後)と生ウニを組み合わせ、仕上げに支笏湖のヒメマスで作った魚醤ぎょしょうを使う。

     積丹半島(積丹町余別地区)の佐藤正樹さんから直送される海水ウニは、そのままでも極上のうまさ。その一折半近い量をカッペリーニとともに泡が出るまで手早くかき混ぜると、まるで細ひものようなパスタが誕生する。

     口中に含むと、麺が幾重にも絡みついてみ切るのが難しい。「それをズルズルと食べてください」という高尾さんのアドバイスに従い、試してみた。すると新鮮な生ウニの甘みとほのかな海水の塩味、そして隠し味の魚醤が、混然一体となって旨みのハーモニーを奏でてくれるではないか。贅沢ぜいたくだなあ。ウニ漁が盛んな8月上旬までしか味わえない、希少なメニューなのだ。

     店内は、茶が基調のシックな造りで4人掛けテーブルを三つ設けるが、シェフの目が行き届くように完全予約制。ソムリエールの蝶野絵里子さん(28)も、ワイン選びをはじめ細部に心を砕いてくれるので、料理をじっくり堪能できる。

     (文・和田由美 写真・藤倉孝幸)

    【住 所】 札幌市中央区南3西23 Condo Maruyama KIRARI 1階 (電)011・618・2217

    【営業時間】 午後6時~11時。日曜休

    【主なメニュー】 シェフお任せのコース料理10000円~、グラスワイン700円~、ワインボトル4000円~。ビール小瓶(サッポロ黒ラベル、エビス)各650円 ※税・サービス料別

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2016年07月21日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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