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    温泉湯豆腐鍋 ◎お酒とお惣菜とごはん「てまひま」(札幌市中央区)

    乳白色の汁 食感とろり

    • ユニークな「温泉湯豆腐鍋」と、丸ごとトマトも味わえる「てまひまのおでん」(左奥)
      ユニークな「温泉湯豆腐鍋」と、丸ごとトマトも味わえる「てまひまのおでん」(左奥)

     寒い、間違いなく寒い。こんな日は、時代小説作家の池波正太郎さんを真似まねて、熱燗あつかんで湯豆腐とゆきたいところ。そんなときに訪れたいのが、南1条の電車通りに面した居酒屋「てまひま」である。

     この店オリジナルの「温泉湯豆腐鍋」は、佐賀県にある嬉野うれしの温泉の名物「温泉湯豆腐」を使う。佐賀平野で収穫された大豆で作る豆腐で、それを嬉野の温泉水でぐつぐつ煮込むと、豆腐の表面や角が溶け出し、煮汁が豆乳さながらの乳白色に変わっていく。口に運べば、とろりとろける珍しい食感を味わえるのだ。

     凝縮された大豆の風味が味わい深く、いくらでも食べられるが、低カロリーかつヘルシーなので心配ない。店長の中川将秋さん(41)によると、「江戸時代の文献にも登場する嬉野温泉の名物で、現地から毎週取り寄せています」。

     温泉の微妙な成分バランスが、豆腐のたんぱく質を分解し、とろけさせているという。この豆乳風スープで富良野産「滋養豚しゃぶしゃぶ」(880円)を味わい、「野菜盛」(580円)を追加することもできる。しかも、燗酒はチロリを使うので速いこと。すぐ身も心も温まるはずだ。

     見逃せないのは、コトコト煮込んだ牛テールのスープに麹味噌こうじみそを少々加えて仕上げた特製おでん。大根や黒こんにゃく、厚揚げなど当たり前のネタのほかに、なんと丸ごとの「トマト」があるではないか。

     おでんのネタでトマトを食するのは初めてだが、意外にさっぱりとした味わいで、牛テールスープとの相性も抜群。この濃厚スープを生かした「牛だしうどん」「牛だし茶漬け」もある。

     一方、近隣のサラリーマンやOLはもとより、若い世代にも人気なのが、好きなドリンク2杯と酒のさかなが3品付く「晩酌セット」(1580円)。“てまひまかけて作る”をモットーにするだけあって、期待を裏切らない総菜がそろい、お得感がある。

     L字形カウンター19席とボックス席を合わせて55人収容と広いが、素朴な造りなのでどこに座ってもくつろげる。しかも、刺し身から野菜料理や肉料理、揚げ物まで居酒屋メニューが多彩で、どれも値段はリーズナブル。給料日前の救世主みたいな店なので、覚えておくと役立つだろう。

     (文・和田由美 写真・藤倉孝幸)

    【住 所】 札幌市中央区南1西10 (電)011・251・1510

    【営業時間】 午前11時~午後3時、午後4時半~午前0時、日曜・祝日休。土曜もランチあり

    【主なメニュー】 温泉湯豆腐鍋の小(半丁)580円、大(1丁)980円、てまひまのおでんの大根140円、トマト160円、角ハイボール380円、サントリープレミアムモルツ550円、日本酒チロリ1合390円、地酒もっきり500円から

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2016年12月15日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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