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    フォーガー ◎ベトナムゴハン チリン堂(札幌市中央区)

    特注 なめらかな米麺

    • 鶏肉や揚げたエシャロットがのった「フォーガー」。素朴なソンベ焼きの器も、いい味を出している
      鶏肉や揚げたエシャロットがのった「フォーガー」。素朴なソンベ焼きの器も、いい味を出している

     耳に心地よい店名にかれる。昨年6月にオープンした「ベトナムゴハン チリン堂」も、柔らかな響きが印象的なベトナム料理専門の食堂だ。

     「鈴の音のように、静かにベトナム料理を広めていけたら……。そんな思いを込めました」

     そう語る小栗大作さん、記代さん夫妻は、大阪市のベトナム料理店に勤め、ベトナム・ホーチミン市でも5年半暮らした経験を持つ。出身はそれぞれ静岡県と大阪府だが、札幌が持つ街の雰囲気に惹かれて移住したという。

     和食にも地域や店ごとに味の違いがあるように、ベトナム料理も一様ではない。チリン堂の料理は、大阪時代にベトナム人シェフに教わった味や、現地で食べて気に入った味わいが基本。日本人向けにアレンジせず、化学調味料に頼らないやさしい味わいも特長だ。

     生春巻きに揚げ春巻き、日本では珍しい1日5食の蒸し春巻き、ハスの茎を使ったサラダなど、野菜をたっぷり食べられるのもうれしい。現地の地酒を飲みながら、かの地へと思いをせる。

     札幌在住のベトナム人客も多く通い、懐かしんで頼むのが、ベトナムを代表する米麺料理「フォーガー(鶏のフォー)」。チリン堂では、鶏ガラをベースに、八角やシナモンなどの香辛料を加えてスープをつくる。

     澄んだスープは、複雑なうま味が静かに広がり、上品な味わいにまとまっている。魚ダシの風味を感じるのは、仕上げにヌクマム(魚醤ぎょしょう)を加えているから。

     レモンをキュッと搾ると、味が締まって、また違う印象になる。こんなふうに別添えのパクチー、ニンニクと唐辛子を漬けた酢、ヌクマムを足しながら、自分好みの味を探し、つくる楽しさも、ベトナムスタイルだ。

     絹のように美しくなめらかな米麺は、現地に特注したもの。「コシのあるタイプではないので、現地よりも少し硬めにでています」と、記代さん。

     場所は、地下鉄南北線の中島公園駅からすぐ、中小路沿いのマンションの1階にある。シンプルな店内には現地で仕入れたポスターや小物がセンス良く飾られ、ホッと落ち着く空間だ。

    (文・小西由稀 写真・山本顕史)

    【住 所】 札幌市中央区南9西3 ドエル中島公園1階(南向き) (電)011・839・1121

    【営業時間】 午後5時30分~11時(オーダーストップ午後10時)、火曜定休(4月からは日曜定休)

    【主なメニュー】 フォーガー780円、蒸し春巻き680円、ハスの茎サラダ880円、特製ベトナムザンギ680円、生ビール500円、飲み放題1800円

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2017年03月16日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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