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    純米酒&ほっけの燻製 ◎純米酒専門 八咫(やた)札幌狸小路店(札幌市中央区)  

    個性光る銘柄に酔う

    • 「ほっけの燻製」(右)と「絶品コンビーフ」(左)。手前は店名入りの猪口
      「ほっけの燻製」(右)と「絶品コンビーフ」(左)。手前は店名入りの猪口

     旧アーケードが目印の狸小路7丁目周辺は、イタリアンバルやアジア風の居酒屋など種々雑多な飲食店がひしめき合う魅力的なエリア。そんな7丁目の南西角に立つM’sビルヂングの1階に、昨年8月に開店したのが純米酒専門の立ち飲みBAR「八咫やた」である。

     店内中央に、木目の美しい古材を生かした六角形のカウンターがあるので、まずは自分の飲むスペースを確保しよう。純米酒(純米吟醸も含む)は、常に30種前後の銘柄を用意するが、メニューはない。

     「甘口」もしくは「スッキリ」など、好みの味を日本酒コンシェルジュの菅原一仁さん(28)に伝えると、即座におススメを一升瓶から目の前のワイングラスに注いでくれる。

     きりりと冷えた日本酒はもちろん、特製のすずチロリで温めたかん酒も楽しめる。自分のペースで猪口ちょこに傾けて飲むのもオツなもの。どの銘柄でも、冷やと燗ともに1杯500円だ。

     オーナー店主の横井すぐるさん(33)は「これまで全国各地から約800銘柄を仕入れました。今後もどんどん珍しい純米酒を出していきます」。4月末から登場するのは、口当たりの優しい純米吟醸「残草蓬莱ざるそうほうらい」(神奈川)、後口さわやかな「新春しぼりたて純米原酒玉柏」(岐阜)など。個性的な品ぞろえに瞠目どうもくさせられる。

     名古屋出身の横井さんは、北大で地球環境について学び、大学院を中退してアメリカやカナダで2年半ほど社会勉強を経験。帰国後は名古屋が本店の「八咫」チェーンで働き、そこで日本酒の魅力に目覚めたという。

     「日本酒は土地柄が個性に出ます。道産酒の味わいや面白さを世界の人たちに伝えたい」と横井さん。えてノレン分けで若きオーナー店主となり、この道に邁進まいしんする変わり種である。

     ところで、酒には良いつまみが必要だ。それだけに一番人気のポテトサラダやホタルイカのあぶりなど、日本酒に合うメニューがそろう。意外に合うのが利尻産「ほっけの燻製くんせい」。脂が乗ってほんのり甘く、柔らかな歯触りが酒肴しゅこうに向く。また、「絶品コンビーフ」は、国産和牛のうまみに乳脂が加わって濃厚な味わい。これとセットのクリームチーズに醤油しょうゆを数滴たらして交互に味わえば、純米酒をワイン感覚で楽しめる。

     日本酒好きにはまさに天国だが、翌日の“地獄”にはご注意あれ!

     (文・和田由美 写真・藤倉孝幸)

    【住 所】 札幌市中央区南3条西7、M’sビルヂング1階 (電)011・211・5145

    【営業時間】 午後5時~11時30分(土、日曜、祝日午後3時~11時)。無休

    【主なメニュー】 純米酒は1杯500円、おつまみは、ほっけの燻製くんせい、絶品コンビーフ、ポテトサラダ、ホタルイカの炙りほかで500円。利き酒コース(60分)2000円で、その日ある30種前後の酒(1杯約50ミリ・リットル)の飲み比べができる。

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2017年04月20日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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