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    トキシラズのウニあんかけ ◎らうす海鮮「海彦」(札幌市手稲区)

    とろける甘さ 幸せ気分

    • 旬のお薦め「トキシラズのウニあんかけ」、珍味で酒のツマミにピッタリの「氷頭なます」と「トキコ」(右から)
      旬のお薦め「トキシラズのウニあんかけ」、珍味で酒のツマミにピッタリの「氷頭なます」と「トキコ」(右から)

     JR手稲駅前から徒歩すぐの「海彦」は、海の幸が大好きなグルメ垂涎すいぜんの海鮮居酒屋である。カウンター前のガラスケースには、知床・羅臼町から直送の魚介類はもとより、石狩湾産のワタリガニや小樽産の夏シャコなど、鮮度の良いピチピチの魚介が並ぶ。

     そんな新鮮素材を皿に盛った「刺し身盛り合わせ」は、季節やその日の仕入れで値段は変わるものの、予算2000円ぐらいからと手頃。一品メニューも「本日のお刺し身」から選ぶのだが、あまりの種類の多さに迷ってしまうこと必至だ。

     店主で板長の佐々木之伸さん(55)は、北広島市生まれ。札幌の調理専門学校を卒業して市内の寿司すし店で修業後、羅臼町で同じ海鮮居酒屋を営み、現在地へ移転して9年目を迎えている。

     それだけに魚介を見る目は確か。「春から初夏にかけての今の時期は太平洋沿岸でれるトキシラズがお薦めですね」と佐々木さん。

     別名「時鮭ときざけ」と呼ばれるトキシラズは、秋以外に獲れる季節外れのサケのこと。産卵前で、まだ成熟が進んでいないため、秋サケより身に脂がのって美味なので、食通に珍重される。

     そんなトキシラズを大胆に使った一品が、「トキシラズのウニあんかけ」だ。身がとても柔らかい上に、とろけるような甘みがたまらない。旬の羅臼産エゾバフンウニと共に味わえば、芳醇ほうじゅんうまみが口中に広がり、幸せな気分に包まれる。

     さらなる珍味は、「トキコ」と呼ばれるその卵。未成熟なので食感が柔らかく、ほどよい塩味が絶妙な味わい。日本酒のツマミに最適である。また、サケ好きなら見逃せないのが、「鮭氷頭ひずなます」。氷頭とは、みけんから鼻筋にかけての透き通った軟骨のことで、コリコリした食感が病みつきになりそう。

     このほか、予想外に人気の高い「和牛レバー焼き」をはじめ、「若鶏ももの山賊焼き」「知床ポーク厚切りとんかつ」など肉料理も多彩。素材そのままの海の幸も良いが、佐々木さんが板前の腕を振るう、一品料理の数々も試してみたい。

     店舗は駅前ビルの2階にあり、カウンターは11席、壁に飾られたカラフルな大漁旗が目を奪う座敷には掘りごたつの卓が七つ。会社の接待に使われることも多いというだけに、ゆったり過ごせる。海鮮好きにはまさに穴場で、独り占めしたくなる店だ。

     (文・和田由美 写真・渋谷文廣)

    【住 所】 札幌市手稲区手稲本町1の3、千葉ビル2階 (電)011・691・2523

    【営業時間】 午後5時~11時、日曜休み

    【主なメニュー】 トキシラズのウニあんかけ1800円、トキコ800円、氷頭なます500円、かに味噌豆腐350円、和牛レバー焼き850円、コース料理3500円から、生ビール500円、地酒1合480円から、お通し600円(いずれも税別)

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2017年05月25日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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