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    黒トリュフ special ◎Mari iida/マリ イイダ(札幌市白石区)

    素材溶け合うラーメン

    • 看板メニューの「黒トリュフspecial(サラ旨)」。ほのかに赤みが残る軟らかなチャーシューも秀逸だ
      看板メニューの「黒トリュフspecial(サラ旨)」。ほのかに赤みが残る軟らかなチャーシューも秀逸だ

     透き通ったスープを口に含むと、どこまでも優しく丸みのある味わいが広がり、思わず「あぁ」と声が出る。

     「Mari iida」は、札幌のフレンチレストラン「aki nagao」のプロデュース店として、昨年11月オープンした新鋭のラーメン店だ。店主の吉田真里さん(41)は、かつて別のラーメン店を営んでいたが、出産を機に飲食業から離れ、その後は医療福祉の道へ。医食同源の大切さを実感していた時、幼なじみである「aki nagao」のシェフ、長尾彰浩さんから声が掛かり、心機一転、この店を開いた。

     吉田さんがコンセプトに掲げたのは「化学調味料を一切使わない、完全無添加のラーメン」。スープの原料、調味料選びから徹底してこだわり、道産小麦100%の自家製麺作りにも、初めて一から挑んだ。

     試行錯誤の末、完成したのが、鶏ベースの淡麗清湯チンタンスープと、豚ベースの濃厚白湯パイタンスープの2タイプ。これに全国各地から厳選した数種類の無添加のしょうゆ、自然派ワインなどの隠し味を加えた特製の「かえし」をブレンドする。どちらのスープにも、昆布やカツオ、サバ節など魚介系のうま味を加えているが、その味が突出しているわけではない。

     「スープ作りで追究したのは『丸み』。何かが際立つ味ではなく、素材のうま味が仲良く溶け合って、おいしい相乗効果になる。そんな味を目指しました」

     自家製麺は、強力粉の「ゆめちから」をメインに、「春よ恋」「きたほなみ」などを独自の配合で組み合わせ、小麦の香り、甘さ、のどしなどを考慮して、メニューごとに数種類を打ち分ける。

     「黒トリュフspecial」は、その渾身こんしんのスープに、黒トリュフの香り高いソースを添えた独創的な一杯だ。まずはスープをそのままひと口。雑味のない味わいの中に、深いうま味がじんわりあふれ、低加水のしなやかな細麺が実によく合う。

     これだけでも満足だが、ソースを溶かすと、何とも芳醇ほうじゅんな香りが立ち上り、リッチな味わいに。低温調理で仕上げたしっとり食感のレアチャーシューとも相性抜群で、もはやラーメンの枠を超えている。

     10月中旬には、真ダチ、カキの冬期限定sobaも登場した。吉田さんの創作意欲はとどまることがない。

    (文・葛西麻衣子 写真・藤倉孝幸)

    【住  所】 札幌市白石区北郷4の12の6の19 (電)011・827・8667

    【営業時間】 午前11時~午後4時、午後6~9時。定休日は日曜

    【主なメニュー】淡麗魚介soba、濃厚魚介soba各780円、黒トリュフspecial(サラうま)、黒トリュフspecial(コク旨)各980円、つけsoba、オマール香る油soba各780円、レアチャーシュー丼350円など

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2017年10月26日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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