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    活アナゴの天ぷら ◎ワインとお料理/Yonna―yonna(札幌市中央区)

    目の前でからり 胸躍る

    • 1匹丸ごと使う「活アナゴの天ぷら」。サクッと軽やかな衣とふっくらとした身のハーモニーがたまらない
      1匹丸ごと使う「活アナゴの天ぷら」。サクッと軽やかな衣とふっくらとした身のハーモニーがたまらない

     カウンター席で味わう、揚げたての天ぷらは格別だが、おまかせのみの高級店は、ちょっとハードルが高い。

     そんなジレンマを解消できる、とっておきの店を見つけた。2017年8月、ススキノにオープンした「Yonnaヨンナyonnaヨンナ」は、道内外の旬の食材を駆使した和食とワインを肩肘張らずに楽しめる、いわば“和ビストロ”。

     品書きは日替わりの前菜から天然活〆いけじめのお造り、気の利いた酒肴しゅこうまであれこれそろうが、何といっても主軸は、店主の川辺勇毅さん(37)が、目の前で揚げる江戸前の天ぷらだ。

     川辺さんは神奈川県出身。東京にある大正創業の老舗で18年間、天ぷら一筋に修業を積んできた。独立開業の地に札幌を選んだのは「妻が以前、北海道で働いていた時、過ごしやすい気候がすっかり気に入って。僕も暑いのが苦手なんですよ」と川辺さん。

     天ぷらの食材は、今の時期なら、活ホタテやカキなど道産魚介をはじめ、メゴチやキスなど全国各地の旬の味、根菜類やキノコのほか、豆腐やチーズといった変わり種も。1品200円台からあり、単品で気軽に注文できるのがいい。

     なかでも看板メニューは、毎朝築地から空輸で届く鮮度抜群の活アナゴ。注文が入ると、活のまますばやくさばき、道産小麦の衣をまとわせ、道産米油100%でからりと揚げる。小気味よい包丁さばき、揚げ油のはぜる音、香ばしいにおい……。目の前で繰り広げられる一連のパフォーマンスに思わず胸が躍る。

     揚げたてのアナゴをひと口。衣はサクッと軽やかな歯触りで、中の身はふっくら。カツオと干しシイタケのだしをベースにした特製の天つゆはもちろん、ほんのり酸味のあるプラム塩を振って味わうと、繊細な甘味が一層際立つ。

     新鮮な食味が残るよう半生で仕上げるホタテやカキ、ほっこりとしたユリ根など、素材それぞれの持ち味を生かした揚げ具合も秀逸だ。

     また発酵飼料を与え、平飼いで育てた黒鶏・ネラの十勝産卵を使った「だし巻き卵」や、締めの卵かけご飯も人気が高い。

     “和食に合う”ものをセレクトしたワインも充実。和と洋のマリアージュを楽しみつつ、天ぷらの新しい魅力を発掘できる。

    (文・葛西麻衣子 写真・山本顕史)

    【住 所】札幌市中央区南4条西5丁目8 F45ビル4階 (電)011・252・9422

    【営業時間】午後5時~午前0時(ラストオーダーは午後11時)。月曜休み

    【主なメニュー】天ぷら/活アナゴ1280円、活ホタテ、カキ、子持ち昆布各580円、キス、豆腐各380円、野菜各280円。タラの昆布じめ880円、日替わり前菜5種1400円、ネラのだし巻き卵980円、天ぷら屋が本気でつくったTKG(卵かけご飯)480円など。※税別

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2018年03月08日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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