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    もつ煮込み ◎ちょっとばぁ(札幌市中央区)

    汁でくいっと 酒進む

    • (手前から)もつ煮込み、白魚のポン酢、マグロの刺し身。「毎日寄ってほしいから」と手ごろな価格のメニューを工夫している
      (手前から)もつ煮込み、白魚のポン酢、マグロの刺し身。「毎日寄ってほしいから」と手ごろな価格のメニューを工夫している

     地下鉄南北線すすきの駅の改札から歩いて15秒。駅直結の「すすきのビル」の地階は、大衆酒場が軒を連ねる“サラリーマンの聖地”だ。

     立ち飲み処「ちょっとばぁ」は、その一角にある。カウンターだけの横に長い店で、壁の仕切りはなく、のれんの下からのぞく先客の足の数で、混み具合がわかる。

     店長の磯村全祥さん(42)は、昨年の秋、縁あって前店長からこの店を引き継いだ。

     ちょうど20周年の節目の年だったという。自身も同店の常連客だったこともあり、昭和の面影を残す雰囲気は変えずに営業している。

     2代目になって変わったのは、メニューの数だ。ボードに書かれた酒肴しゅこうは、定番と季節ものを合わせて45種類ほどあり、和食と洋食、両方の道を歩んできた料理人、磯村さんの経験が光る。

     特に目を引くのは、魚料理の豊富さ。刺し身は日替わりで6種類前後を用意している。

     聞けば、親会社の「フーズセンターやまもと」は、魚介類の目利きと品ぞろえに定評のあるスーパーだという。なるほど、食べて納得の満足度だ。

     さらにうれしいのは、その価格。250円と360円が主体で、高くても500円の品がわずかにあるだけ。財布のひもがゆるみそうだ。

     「もつ煮込み」は、先代からつくり方を受け継いだ一番人気の一品。だしのきいた白味噌しろみそ仕立てで、何度もゆでこぼしたもつは、クセがなく軟らかい。煮汁をたっぷり入れて提供するのも、この店ならでは。「汁をアテにお酒を飲めるように」という、心遣いである。

     お酒といえば、日本酒は千歳鶴一筋と決めているのも、先代から変わらない。

     壁にかかる時計は、5分ほど進めている。「場所柄、次の約束に遅れないように、また終電に乗り遅れないように送り出したい」と磯村さん。酔客への優しさがうれしい。

     毎日同じ時間に、あるいは1日に2度、3度と顔を見せるお客は少なくない。そんなエピソードからも、誰もがこの店を自分の場所として大切にしているかが、よくわかる。

    (取材・小西由稀 写真・山本顕史)

    【住  所】 札幌市中央区南4西3 すすきのビル地下2階 (電)011・533・4280

    【営業時間】 午後3時~11時30分(オーダーストップ15分前)。日曜休み。

    【主なメニュー】◇もつ煮込み360円◇刺し身360円~◇キャサ玉(味付け玉子)250円◇生ビール380円◇日本酒250円~

    ※メニュー、価格などは変更されている場合があります。

    2018年04月12日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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