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    陸自機墜落 上空ルポ…茶色の斜面、機体散乱

    樹木なぎ倒され

     行方不明となっていた陸上自衛隊のLR2連絡偵察機は16日、北斗市内の山中で見つかった。機体は原形をとどめないほど壊れ、乗員4人の死亡が確認された。「一体なぜ」――。捜索にあたった自衛隊員らは沈痛な表情を浮かべた。


    • LR2連絡偵察機の破片が発見された山の斜面(16日午後、北斗市で、本社チャーターヘリから)=川口正峰撮影
      LR2連絡偵察機の破片が発見された山の斜面(16日午後、北斗市で、本社チャーターヘリから)=川口正峰撮影

     茶色い土があらわになった斜面に機体の部品が散らばり、事故の衝撃を物語っていた。大きな破片の中には、車輪や日の丸が描かれた部品もあった。

     16日午後3時40分頃、函館空港を本社チャーターヘリで離陸し、陸自機が墜落した北斗市の上空に向かった。同空港を飛び立ち、西北西に飛行。函館湾の向こうに、なだらかに連なる山々が見えてきた。山頂付近は厚い雨雲に覆われ、周囲は次第に薄暗くなった。

     現場に近付くと、雲の隙間から青空も見え、眼下には濃い緑に覆われた山々が広がった。約10分ほどで現場上空に到着。高度約600メートルの機内から木々の合間に目を凝らすと、急峻きゅうしゅんな斜面の頂上から中腹にかけて、樹木がなぎ倒されている場所を見つけた。墜落現場だった。

     同空港西側の空域で、隊員4人が乗った同機がレーダーから消えたのは15日午前11時48分頃。周辺の大気は不安定な状態が続いており、視界は5キロ程度だったという。同機は計器だけを頼りに操縦する「計器飛行」で、同空港を目指しているさなかに墜落したとみられる。

     上空から周辺を見回すと、現場付近の山林には鉄塔が立っていたものの、飛行の妨げになる障害物はないように見えた。「機体に何が起きたのか」。疑問が強く湧いてきた。 (田中文香)

    重苦しい雰囲気に

     陸上自衛隊のLR2連絡偵察機が消息を絶った北斗市の山中で16日、機体の残骸と乗員4人が相次いで見つかると、約5キロ離れた捜索の「前線本部」は重苦しい雰囲気に包まれた。

     同機が行方不明になった15日は、陸自の隊員が夜を徹して捜索を継続したが、16日朝からは、陸自や道警、消防など計約1800人態勢に増強。天候が回復し、自衛隊のヘリなどによる上空からの捜索が可能になった同日午前10時以降に捜索は進展した。

    知事「痛ましい思い」

     高橋はるみ知事は16日、陸上自衛隊北部方面航空隊の連絡偵察機の乗員4人の死亡が確認されたことについて、「誠に残念で、痛ましい思いでいっぱいだ。ご冥福を心からお祈りし、ご遺族に哀悼の意を表する」とのコメントを発表した。


    16日ドキュメント

     午前6時 道警80人、消防40人、ハンター5人が捜索を開始。15日に夜通し捜索を続けた自衛隊を含め、計約1800人態勢に。

     午前10時38分 道警と消防の捜索隊が、袴腰山山頂の東約3キロの山中で、陸上自衛隊LR2連絡偵察機の機体らしき破片を発見。

     午前11時6分 航空自衛隊のヘリも上空から機体らしきものを確認。

     午後0時41分 空自の救難ヘリが、現場で乗員とみられる制服姿の男性2人を発見。

     午後1時17分 別の男性1人を発見。

     午後1時51分 別の男性1人を発見。

     午後4時過ぎ 陸自函館駐屯地に、4人を乗せたとみられる陸自車両が次々と入る。

     午後5時26分 道警が4人全員の死亡を確認。

     午後5時30分 道危機対策課が「第1非常配備体制」を解除。

     午後6時5分 防衛省で河野克俊統合幕僚長が記者会見し、「国民や地元の人たちにご心配をおかけし、おわびしたい。隊員4人を失ったことは痛恨の極み」と陳謝。

     午後6時30分 高橋はるみ知事が「誠に残念で、痛ましい思いでいっぱい」とするコメントを発表。

    2017年05月17日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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