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    開放的施設の網走刑務所が農場公開

    愛媛の脱走事件受け

    • 農場で飼育されている黒毛和牛(11日、網走市で)
      農場で飼育されている黒毛和牛(11日、網走市で)

     「塀のない刑務所」と呼ばれる全国4か所の開放的な矯正施設で唯一、農場を持つ網走市の網走刑務所二見ヶ岡農場が11日、報道陣に公開された。同様施設の松山刑務所大井造船作業場(愛媛県)で起きた脱走事件を受け、法務省が公開した。

     開放的施設は、比較的自由な環境の下で、受刑者の自律性を高めながら刑に服させるのが目的。網走刑務所の受刑者約730人のうち生活態度が良好などとして選ばれた20人が、寮で共同生活を送りながら作業にあたる。

     同農場は同刑務所の西約6キロにあり、359ヘクタールの敷地に東京ドーム40個分にあたる188ヘクタールの耕作地がある。1896年に開設された。かつて農場の旧庁舎は塀に囲まれていたが、1997年に塀のない現庁舎に移転した。

     農場ではタマネギなど8種を栽培し、多くは刑務所内の食事に提供される。また、黒毛和牛95頭を飼育。年間30~40頭を出荷し、今年度は6割が最高品質と評価された。「網走監獄和牛」の名で注目されている。

     網走刑務所では1981年以降、脱走事件は起きていない。松山の事件を受けて業務を再点検したが、体制は事件の前後で変わっていないという。

     伊藤誠・農場長は、逃走防止には信頼関係の構築が重要と語る。「必要以上の物的な防止策は、受刑者の意識をそいでしまう。自主性を与え、信頼される喜び、責任感を持たせることが、逃走防止に一番必要だ」と話した。

    2018年06月12日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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