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    東猪谷の野仏を訪ねる(岐阜県飛騨市・富山市)

    表情豊か仏さまに出会う

    • 舟渡にある野仏群
      舟渡にある野仏群
    • かつては月を見るために村人が集った三夜様
      かつては月を見るために村人が集った三夜様

     岐阜県境に近い富山市下タした南部地区は野仏が多い。特に東猪谷いのたにには双体道祖神を含む100体以上の石仏があると言われる。その東猪谷を歩いてきた。

     JR高山線猪谷駅前で神岡方面へ行くバスに乗り、中山で下車する。高原川に架かる新猪谷橋を渡り、緩い坂道を上ると、双体道祖神を含む最初の石仏群に出会う。北陸には「道祖神」と文字が彫られた石板はあるが、像が彫られているのはこの辺りだけだそうだ。 加賀藩の東猪谷関所があった跡、石仏を含む石の造形物が多い宝樹寺、20年に1度の遷宮にあわせて「百万石行列」が行われる素盞嗚すさのお社、旧暦23日に月待ち行事が行われてきた三夜様さんにゃさまと見どころが連続する。

     東猪谷集落に入ると野仏が多くなる。浮気をした男神を姫神が「えんま帳」を突きつけて責めるが、男神が平然としている情景をえがいたおもしろい道祖神もある。のどかな山村風景を前にした野仏群を拝んでから舟渡ふなと集落に入る。

     神峡橋の少し下流にある野仏群を拝んでから橋へ戻り、国道41号沿いの富山藩西猪谷関所跡に立ち寄ってから猪谷駅前にある猪谷関所館へ入る。主に西猪谷関所を紹介した施設だが、この地域を訪れている円空の一刀彫りの仏像も展示してあった。

     いろんな表情をした多くの仏さまにお会いした。歩いた距離は約6キロ。ほとんどは車道歩きだが、通る車も少なく、高低差もあまりない快適なフットパスであった。(文・写真 金沢ふるさと愛山会顧問 林正一)

    • 関所の町・猪谷を紹介する猪谷関所館
      関所の町・猪谷を紹介する猪谷関所館

     【コースタイム】中山バス停(25分)東猪谷関所跡(20分)東猪谷(40分)舟渡(40分)猪谷関所館

     【交通】中山バス停へは猪谷駅(一部はJR富山駅発着)からバスがある。

    2016年10月14日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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