<速報> 長野で震度5強の地震
    文字サイズ

    石仏に古代寺院の面影(石川県小松市・加賀市)

    白山信仰の地を巡る

    • 石造建造物が多い温谷寺跡
      石造建造物が多い温谷寺跡

     白山の西側、加賀地方には、平安から室町時代にかけて白山信仰の重要な役割を担ったいくつもの寺院があった。現存するのは「白山三箇寺」のうちの那谷寺なたでら(小松市)、「白山五院」の一つ、薬王院温泉寺(加賀市)のみ。両寺を線でつなぎ、三箇寺の残る二寺、栄谷寺や、温谷寺うたにじの跡などを歩いた。

     

     泰澄が開いた那谷寺を起点に、田畑に面した農道を歩く。すぐ栄谷寺跡への標識があった。遊歩道へ入る手前で陶芸工房を営んでいる中村久一氏と出会う。寺跡のことを教わり、登り窯を案内していただいた。

     

     三箇寺をめぐる遊歩道へ入る。栄谷寺跡から大坊谷上、そこから標高63メートルの三角点がある温谷寺跡までは巨木も多く、石仏が並ぶ。古代寺院があったことをうかがわせる場所であった。ヤブツバキ咲く道を歩いて加賀市の栄谷町集落へ下山した。

    • 観光客の絶えない無料の足湯
      観光客の絶えない無料の足湯
    • 山中に多数の穴が見られる法皇山横穴古墳
      山中に多数の穴が見られる法皇山横穴古墳

     

     山代温泉までまだ5キロ、休憩がてら白山神社(勅使町)で独特の形をした狛犬こまいぬを楽しみ、200基を超えると推定される横穴式古墳がある国史跡の法皇山横穴古墳、中世石造物が多数ある白山神社(森町)に立ち寄る。おおかたは県道を歩いたが、白山連峰の眺望を楽しみながら農道、河岸堤防も歩いた。

     

     薬王院温泉寺は山代温泉街中央にあり、8世紀に行基が温泉を発見したときに開いたと伝えられる。石仏をともなう遊歩道は明覚上人の墓と伝えられる五輪塔(国重要文化財)へ、さらに展望台を兼ねた栄螺さざえ堂へと続く。下山は服部神社へのコースをとり、足湯で足を癒やしてから山代温泉東口バス停へ行く。

     

     加賀南部での白山信仰の深さを垣間見た10キロの歩きであった。

    (文・写真 金沢ふるさと愛山会顧問 林正一)

     

     【コースタイム】那谷寺口バス停(50分)栄谷遊歩道口(25分)栄谷寺跡(15分)温谷寺跡(25分)法皇山横穴古墳(1時間10分)薬王院温泉寺(15分)栄螺堂(20分)山代温泉東口バス停

     【交通】那谷寺口へは粟津駅および小松駅から、山代温泉東口へは加賀温泉駅からバスがある。

    2017年05月26日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    おすすめ