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    展望台夫婦思い出の場所

    「RAILWAYSレイルウェイズ 愛を伝えられない大人たちへ」

    呉羽山公園(富山市)

    「出発、進行!」

     三浦友和さん演じる運転士の発車の声がいまも耳に残る。美しい田園風景を背景に電車が走るシーンや、松任谷由実さんの主題歌がよみがえる。映画「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」は、全編が富山ロケで撮影された作品だ。

     

    • 立山連峰と富山市街地を見晴らす展望台。映画では夫婦の思い出の場所として描かれた
      立山連峰と富山市街地を見晴らす展望台。映画では夫婦の思い出の場所として描かれた

     ああ、ここだったのか――。呉羽山公園の「桜の広場展望台」に立ったとたん、懐かしい場所に巡り合った気分になった。映画では、夫婦の思い出の地として描かれ、回想シーンでは満開の桜が画面を彩っていた。呉羽山だろうと見当はついたものの、はっきりとした場所は分からないままだったのだ。

     

     三浦友和さんが座っていたのは、このベンチかしら。妻・佐和子役の余貴美子さんが、「これ、壊れとるわ」と残念そうにのぞき込んでいた望遠鏡は撮影用のセットだったらしいが、あずまやも手すりも見晴らしも記憶のままだ。立山連峰と富山市街地が一望できる眺めのよさは、スクリーンでも際立っていた。

     

     さらに呉羽山からの眺望に魅力を加えたのが、2015年に開通した北陸新幹線だ。桜の広場展望台も絶好の撮影ポイントらしく、写真愛好家が三脚を立ててシャッターチャンスを待っている。

     

     立山仰ぐ特等席とも称される呉羽山公園。桜に続き、これからはナシの花が丘陵を白く染める。周辺には五百羅漢で知られる長慶寺や、民俗資料・民芸品などを展示する市民俗民芸村があり、見どころが多い。映画の名場面を思い出しながらの散策などいかがだろう。

     

     ★「RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」

     蔵方政俊監督。富山地方鉄道の運転士・滝島徹は、定年退職を間近に控えたある日、妻から看護師の仕事を再び始めたいと言われ、口論になる。これからは妻と過ごしたいと思っていた夫と、自分のために時間を使いたいと願った妻。人生の分岐点に立つ夫婦の姿を富山の雄大な景色を背景に描く。2011年12月全国公開。

    (フリーライター  沢田 香織)

    • 周辺には五百羅漢で知られる長慶寺など見どころも多い
      周辺には五百羅漢で知られる長慶寺など見どころも多い
    2017年04月21日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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