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    海に沈む夕日主役級

    「追憶」 荒俣海岸(黒部市)

    • 日本海に沈む夕日が忘れがたい名場面となった荒俣海岸
      日本海に沈む夕日が忘れがたい名場面となった荒俣海岸
    • ハマヒルガオなどの海浜植物が散策する人の目を楽しませてくれる
      ハマヒルガオなどの海浜植物が散策する人の目を楽しませてくれる

     生地駅の北、黒部川河口の左岸に広がる松林を抜けると、約600メートルに及ぶ砂浜が目の前に開ける。映画「追憶」のロケ地の一つ、荒俣海岸だ。

     昨年末、映画の予告編を初めて見たときは富山や能登で撮影されたとは知らず、あのきれいな景色はどこだろうと思案していたのだ。海に夕日が落ちているから日本海側だろうと見当をつけていたが、よもや黒部の海岸だったとは。砂浜を歩きながら、忘れがたいシーンを思い出す。

     人に言えない過去を背負った少年3人が、25年後に思わぬ形で再会する。映画「追憶」は、名カメラマン木村大作さんが切り取る圧倒的な映像美を背景に、切ない人間ドラマを描く感動作だ。

     映画パンフレットによると、木村カメラマンはこの作品の映像テーマを「海に沈む夕日」に置き、ロケ地を選んだという。原作では北海道の設定である舞台を北陸に移したのは、おそらくここからの夕日にほれ込んだからだろう。いわば、映画のもう一つの主役がこの海岸だ。

     松林にさえぎられ、周囲に人影もない荒俣海岸は映画そのままの静けさだ。ハマヒルガオなどの海浜植物を観察しながら、のんびりと浜辺を散策する。ここに岡田准一さんたちがいたなんて、信じられない気分だ。

     桜並木や雪化粧した立山連峰など、県内の雄大な自然が何度もスクリーンを彩ったが、最も印象に残ったのが荒俣海岸の夕日だ。こんなに素晴らしい景色があるのだと、映画に教えられた。今回、夕日を写真に収めることはできなかったが、その美しさをぜひ劇場で確かめてほしい。

    フリーライター  沢田 香織

     

     ★「追憶」

     氷見の漁港で殺人事件が発生し、富山県警の刑事・四方篤は現場へ急行する。被害者は、25年ぶりに再会したばかりの幼い頃の仲間だった。容疑者として浮上したのが、もう1人の仲間だったが、彼ら3人には誰にも言えない過去があった。降旗康男監督。2017年5月公開。

    2017年06月16日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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