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    「小さな町」の青春面影求め

    「ようことよしなに」五百石(立山町)

    • 富山地方鉄道五百石駅。2012年にリニューアルし、図書館などを統合した「立山町元気交流ステーション」内にある
      富山地方鉄道五百石駅。2012年にリニューアルし、図書館などを統合した「立山町元気交流ステーション」内にある
    • 役場前のバス停は、2人の出会いの場所だ
      役場前のバス停は、2人の出会いの場所だ

     あれー? あれれれー?

     約10年ぶりに富山地鉄五百石駅を訪れて、あまりの変わりようにぼう然とした。

     立山町出身の漫画家・町田翠さんの「ようことよしなに」は、地元の女子高校生マキが主人公。単行本の裏表紙にはレトロな五百石駅の駅舎が描かれており、「そうそう、こういうたたずまいだったなあ」と懐かしくなって久しぶりに駅に来てみたのだ。2012年にリニューアルし、こんなに立派な建物になっていたとは! 

     そういえば、物語は「私がまだ、あの田舎町に住んでいた頃。ようこちゃんは私の一番の友達だった」と第1話が始まっている。時がたち、駅も大きく変わっていたのかと思うと、まるで自分が主人公になったかのようにセンチメンタルな気分になってくる。

     変わっていないものはないかしら。マキやようこちゃんが過ごした場所はないかしら。駅前から立山町役場へ向かうと、漫画にも登場するバス停や立山町民会館を発見。ここも背景に描かれていなかったかなと、踏切や商店の看板を眺める町歩きも楽しい。

     ああっ。あった! 立山ショッピングセンター「ナビオ」。作中では「ナベオ」として描かれている2人が足しげく通ったスーパーだ。まるで自分が青春時代を過ごした場所のように懐かしさがこみあげる。

     物語はこの先、どんな展開を見せるのだろう。「走っていくよスーパー農道~」。2人が結成する音楽ユニット「ユニコーン☆ドリィム」の歌詞に勝手な節をつけ、スーパー農道を走って帰途に就く。自転車で爆走するマキとようこちゃんの姿を探しながら。

     

     ★「ようことよしなに」

     立山町出身の漫画家・町田翠のコミック。立山町に住む女子高校生2人が「あの小さな町」で過ごした青春を描く。小学館の月刊!スピリッツで連載中。単行本第1巻が7月に発売された。

    2017年09月15日 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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