簡単操作リモコン エアコン用、千葉大教授ら開発
高齢者でも簡単に扱えるエアコン用のリモコンを、千葉大学の研究者らで作るベンチャー企業がダイキン工業と共同で開発した。一見リモコンには見えない弁当箱のような形に、回転式のつまみを付けたシンプルなデザイン。「人に聞かずに使えるリモコン」をテーマに、工業デザインに心理学を採り入れた「デザイン心理学」を国内で初めて家電製品に応用した。多機能・複雑化が進む家電の中で、ユニークな存在として注目を集めそうだ。
開発したのは、千葉市の起業支援施設に入居する「BBストーンデザイン心理学研究所」(日比野好恵社長)。ダイキンの家庭用ルームエアコン「ラクエア」の専用リモコンとして、4月20日に発売される。
縦9センチ、横12センチの卓上型。縦長が多かったリモコンの常識を覆すデザインだ。アナログ感のあるダイヤル式のつまみを回転させると、温度を調節できる。冷房と暖房の運転切り替えや風量・風向の調節は、右端にまとめた三つの小型つまみで操作できる。液晶画面の温度表示も大きめにした。
同研究所技術顧問の日比野治雄・千葉大工学部教授(デザイン心理学)は「高齢者や弱者を置き去りにする技術の進歩に疑問を持っていた」という。こうした考え方に共鳴したダイキン側から声をかけられ、約1年前から開発に着手。高齢者への聞き取りや実証実験など心理学的手法も用いて完成させた。
最もこだわったのは右側の半透明のフタ。三つの小型つまみを覆っている。「ボタンが多すぎると人間は拒否感を覚えるし、少なすぎると物足りない」というデザイン心理学の知見から、メーンのつまみを強調しつつも、ぼんやりと小型つまみの存在を見せることで、利用者が物足りなさを感じずに使えるよう配慮した。
試作機による実証実験では、機械の操作が苦手な高齢者も従来の3分の1の時間で操作できたという。
同研究所はデザイン心理学を用いた製品化の手法について特許を出願中で、食品パッケージや医療関連製品などにも広げる考えだ。
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