液状化被害、住宅修理進む…茨城・潮来
東日本大震災による液状化で、地区内のほぼ全ての住宅約2500棟が被害を受けた茨城県潮来市日の出地区。傾いたままの住宅、凸凹だらけの道路など震災の傷痕はいまだ随所に残る。その一方で、自宅の修理を始め、復興に向けて歩み出す住民も少しずつ増えている。震災から11か月。街の「変化」を訪ね、歩いた。
「以前は廊下を歩いただけで平衡感覚がおかしくなり、暮らすだけでストレスだったが、直って本当にすっきりしたよ」。この家に住む島田賢司さん(68)は10日、作業員5人が住宅を持ち上げるジャッキアップ工事の作業をする中、畳の上で笑顔で話した。
島田さんは一人暮らし。沈下した自宅は大規模半壊の認定を受けたが、1月下旬から約600万円をかけ、最も沈み込みが浅い地点を基準に住宅全体を20センチ持ち上げる工事を開始。先週、やっと元通りの「平行な床」を取り戻した。
震災直後の日の出地区は、市道の応急工事を行う大型トラックが行き交う以外、ひっそりと静まりかえった印象が強かった。今は、住宅の玄関に「沈下復旧工事」と書かれた看板が増えたのに気付く。市に問い合わせると、地区内で半壊以上の被害を受けた約1800棟のうち、災害救助法に基づく応急修理制度を申請した人は1月末時点で約400人。余震を心配し、誰も修理を頼まなかった頃を思えば、ゆっくりとだが明るい兆しを感じる。
ヘルメット姿の作業員も目に付いた。尋ねると、多くは市が昨年9月から行っている下水道復旧工事の関係者だ。下水道は市道の地下1・2〜4・5メートルと、上水道より深い所に埋まっている関係で、最初に工事を行わなければならない。地区内で補修が必要な下水道総延長は約22キロ。まだ1割ほどが完了したところだが、作業員約100人体制で工事が進む。
しかし、街を取り巻く環境は依然として厳しい。地区の今月1日現在の人口は6025人。震災前の昨年3月1日と比較すると約300人減少した。車で走ると道路の凸凹で時折、体が上下に大きく揺れる。市が市道や水道などライフラインの完全復旧を目指している時期は2014年3月。復興に向けた取り組みは始まったばかりだ。
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