防災第一 マンション最新事情
昨年末から今年にかけて販売される新築マンションのトレンドを探る。「防災」「エコ」「長持ち」などがキーワードのようで、東日本大震災を踏まえて、マンションのウリも随分と変わってきているようだ。(経済部 伊藤剛)
複数階に倉庫
首都圏の湾岸エリアは、大震災を機に災害に対する「もろさ」が指摘されてきたが、最近、この地帯のマンション人気が復活してきたという。住宅ジャーナリストの桜井幸雄さんは「マンションの分譲会社が震災の教訓を生かし、高水準の防災対策を施した物件を登場させているのが理由の一つ」と分析する。
昨年12月、販売を開始した野村不動産の湾岸タワーマンション「プラウドタワー
9月に販売開始予定の三井不動産レジデンシャルの「パークタワー東雲」(東京都江東区、43階建て)は、地震の激しい揺れを抑える免震構造を採用したほか、高層マンションの揺れを増幅させる「長周期地震動」への対策もマンションの構造に取り入れた。
また、建物自体は倒壊しなくても、大きな揺れで住民が家具の下敷きになって死傷する恐れもあるため、家具の設置が想定されるすべての住戸内の壁面に転倒防止金具の取り付けが可能な工夫を施している。
太陽光で蓄電
一方で、エコマンションや長期優良住宅など特徴のあるマンションも目立ってきた。桜井さんは「震災ショックから消費者の心理が立ち直りつつあり、資産性や効率性などにも頭が回り始めた」と指摘する。
2月下旬販売開始予定の伊藤忠都市開発のクレヴィア千川(東京都板橋区)は太陽光パネルで発電した電気を蓄電池に充電、共用部の電力を一部まかなう。蓄電池からの電気は震災時に井戸ポンプを動かすなど飲料水確保にも役立てられる。
また、部屋のガス・電気・お湯の消費量を多機能情報端末iPad(アイパッド)で確認できるシステムも試験的に導入する予定で、楽しみながら省エネができそうだ。iPadは、お風呂などのリモコンにも使えるという。
200年の耐久性
長期優良住宅もこれから本格的に増えそうだ。中でも3月販売開始予定の大成建設・有楽土地の横浜白楽レジデンス(横浜市神奈川区)は国土交通省のモデル事業にも認定され、注目されている。
高性能のコンクリートなどを使い、200年もの耐久性を目指す建物で、省エネや耐震性能に優れているほか、「長生き」を目指して、配管類のメンテナンスや間取りの変更も容易にしてあるそうだ。
また、売却する時の査定方法も変わっている。
まず、各世帯が「住まい情報カルテ」というマンションの修繕情報などの建物履歴を記録・保存、売買の際は、そのカルテを基に査定が行えるようにする。大成のグループ会社が買い取る場合、査定額の9割で買い取る保証があるという。
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