第15回受賞作
★受賞作品名


大賞

『太陽の塔/ピレネーの城』

★作者プロフィル

森見 登美彦(もりみ とみひこ)

 1979年、奈良県生駒市生まれ。京都市在住。京都大学農学部大学院在学中。

★受賞感想手記

 大学時代に山ほど溜め込んだ妄想や鬱屈した思いの断片を気ままに膨らませ、自分で面白がりながら小説にしました。このたびの受賞の報に接し、このようにヘンテコな小説が選ばれたということで、選考に携わって頂いた方々の懐の深さを改めて思い知った次第です。

 ただ、私個人にとって、今回の受賞は思わぬ幸運といった印象があります。これからも、まだまだ、長い修業時代が続くことになるでしょう。ふて腐れず、天狗にならず、あくまで自分の本分を忘れずに、愉快に暢気に健康に、修業時代を切り抜けたいと願っています。


優秀賞

『象の棲む街』

★作者プロフィル

渡辺 球(わたなべ きゅう)

 1967年、千葉県流山市生まれ。学習院大学法学部法学科卒業。都内団体機関勤務。東京都在住。

★受賞の言葉
 誰に読まれるあてもない小説を一人で書いていると、音も光もない闇の中をさまよっているような気持ちになることがあります。まず進むべき方向がわからなくなり、やがて前に進んでいるかどうかさえ定かでなくなります。そんなとき、不安が書く楽しみに勝ってしまいます。

 今回の受賞は私の前方に一筋の光明を示してくれました。しかし今後もそこに向かって歩き続ければいいかというと、必ずしもそうではないように思えます。現実世界が多様であるように、小説の書き方もまた多様であるからです。そして人間の想像力が無限であるように、小説が表現できる世界もまた無限です。その無限の世界にこれから深く足を踏み込んでいければ、幸いです。


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