ニュース 速報 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

本文です

劣等感から他人見下す

 18歳の女子高校生です。他人と話をするときは、相手が同性であっても異性であっても、いつも自分が上の立場にいるような、相手を見下したような気持ちになってしまいます。

 常に自分が上だという傲慢(ごうまん)さを、自分自身の行動の端々に感じます。そうしなければ自分が保てず、自分の弱さを感じます。人よりも劣等感が強いのでしょう。

 人間的に優れていると思う相手に対しては、なおさら構えて振る舞ってしまい、後で(むな)しい気持ちになってしまいます。自分がどう見られているのか、気になります。見下されたくない、ばかにされたくない、という気持ちが強いのです。

 相談できる友人はいますし、読書の趣味もあります。それでも、何年もこの悩みから逃れられず、悲しくなってしまいます。どうか、ご助言をお願いします。(北海道・R子)

 これはなかなか深く洞察されているな、というのが第一印象です。あなたは他人に対して構えて接し、傲慢な態度を取りがちなのは、自分の劣等感ゆえ、弱さゆえだとおっしゃる。若くしてここまで考えられる人は多くはないですよ。

 あなただけではない。実は人間の多くは劣等感の塊なのです。この出所は「自分は他人と違ったユニークな存在」という根拠の無い自負心にある。これは生きる上に必要な心理である一方、いつもそれに沿うように他人が接してくれるとは限らないので、自負心はたえず傷つきがち。その体験が蓄積して劣等感になるんです。あなたの場合も、結局その苦しみではないか。ただ、その自負心をいかに切り下げられるかが、そんなに簡単ではないのです。

 ここはいっそ自分は「ばかにされ」「見下される」ように努力しているのだ、と考えてみては? と言っても、本当にばかなことをする必要はない。これまでどおり振る舞う中で、ばかにされたと感じたら、「努力が実ってきたな」と思えばよいのです。そう考えることで、肩の力が抜け、きっとあなたに接する人の態度も柔らかになり、あなたの突っ張りも低減するかもしれません。

 (野村 総一郎・精神科医)

2009年3月20日  読売新聞)
うつ、ストレス、心身の不調・・・深く知りたいとき役立つサイト yomiDr.
現在位置は
です