情報紙も目指そう
編集委員 重田育哉
最近、「情報番組」というジャンルのテレビ番組が増えているという。
ニュースでもないし、バラエティーでもない、つかみどころのない分野だが、一定の視聴率は稼げているようだ。新聞も、どんどん、真似して進出したら良い分野かもしれない。
私はテレビ業界の人間ではないので、正確には分からないが、情報番組には様々なタイプがあって、例えば、朝の出勤時などに民放がそろって流しているのは、ニュースも取り上げ、街の話題も紹介し、いろいろな商品やサービスに関する情報も提供する、といった情報番組だ。
このほか、例えば、ある外食産業の売れ筋ベスト10を全て当てるまで、回答者は商品を食べ続け、その場を離れることもできない、という番組や、ある食品が完成するまでの工程を工場に潜入して取材・撮影する番組なども、芸人さんは出て来るが、バラエティーではなく、情報番組といえるかも知れない。
テレビ局にすれば、こうした番組は、ドラマなどと比べて、手軽に作れるし、取材される側の企業なども宣伝にもなるので、ウエルカムなのかもしれない。見る方も、雑学的には知識が増えた気もするので、何となくチャンネルをそのままにしてしまうのだろう。
この情報番組で重要なのは細かい情報だ。取り上げた商品やサービスに、どんな特性があるかは、当然、紹介するが、ほかにも、いくらか、どこで買えるか、試した人の本当の反応はどうか、など必須の情報は多い。これをテレビは、わりと丁寧に説明しているから、視聴者も満足するのだろう。
実は、私が担当している読売新聞「家計の知恵」面も、情報を細かく、丁寧に発信できないか、というところを基本にしている。
新聞各紙、新聞各面は、みんな、そうだよ、という指摘があるかもしれない。でも、実際は、先のテレビ番組ではないが、じゃあ、どこに行ったら売っているのか、そこの連絡先は、などが十分にフォローできていない場合がほとんどだと思う。それでは、ちょっと、興味を持った読者を、航海の途中で海の真っただ中に捨ててしまうのと同じような気もする。
その家計の知恵面で、まだ試していない部分があったので、昨秋、ちょっとトライしてみた。土曜朝刊の「大研究 グルメ産業」という連載企画で、外食各社の新メニューを紹介しながら、その店の売れ筋ベスト3も写真つき表で載せてみた。
つまり、さっきのテレビ番組をヒントに、パクリをやってみたわけだ。これを毎週、ライターに取材させて、掲載して、思ったのは、テレビより、新聞の方が見やすい部分もあるということだ。
例えば、テレビのように「それでは、待ちに待った売れ筋ベスト1は…」などと、おどろおどろしく、盛り上げるナレーターはいないが、新聞だから、1〜3位まで、一覧でいつまでも見られるし、2位と3位を見比べもできる。
「これが食べたい」と思ったとき、テレビだと、ちょっと、見ただけでは長いカタカナの商品名は一度には覚えにくいものだが、新聞なら、ビリッと新聞を破いて、店に持って行って、店頭で見直してみてもいい。
つまり、情報番組を新聞でやると、テレビより使い勝手がいいかもしれない。もちろん、こうした各種の情報を扱う雑誌は昔からある。「情報誌」というジャンルで、我々世代は「ぴあ」などが懐かしい。でも、「情報紙」、つまり、情報を扱い、日々のニュースとともに、それもウリにする新聞というのは、まだ十分に普及していないと思う。
新聞が新たな読者を獲得する一つのベクトルになるのかもしれない。
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