過酷な〈球春〉到来
東京本社運動部巨人担当 岡田卓史
プロ野球に球春が到来した。2月1日、12球団が宮崎県や沖縄県で一斉にキャンプイン。3年ぶりの日本一を目指す巨人の第1クール(1〜5日)では、とにかく選手たちの仕上がりの早さが目に付いた。
新入団の左腕・杉内は、初日からブルペンで70球を投げ込んだ。背中には、巨人のエースナンバー「18番」が輝いている。
柔らかな腕のしなりから繰り出す1球1球が、選手や首脳陣、ファンの注目を集めた。 杉内と競い合うかのように、エースの内海は101球を投げ込んで第1クールを締めくくった。昨年の新人王・沢村もフリー打撃に登板するなど、投手陣は順調そのものに見える。
野手組の動きもいい。昨年は個別メニューで調整していた小笠原、高橋由、谷らのベテラン勢が今年は初日から全体練習に参加し、若手に負けないぐらいバットを振り込んでいる。
原監督は満足そうだった。「我々の時代は、オフはエンジンを止めて体を休ませていたものだが、このところの球界全体の風潮として、選手たちは11、12月もエンジンを止めずにいい形でオフを過ごしている。ほとんどの選手が(キャンプ序盤から)全力で走れて、全力で投げられて、全力で振れる状態に来ている」
覇権奪回を目指す選手たちは、今後も息つく暇はない。第3クールからは紅白戦が予定されており、18日にはオープン戦が始まる。「早めに仕上げることがいいのか、少しゆっくり目でいいのかは選手個々の問題。でも、最低限、オープン戦の頃には100%の力を出さないと置いていかれちゃう」と原監督は言う。力なきものは去れ――。一軍切符をかけた選手たちの、火花が散るようなサバイバルがこれから本格化していく。
さて、宮崎には、心配なニュースも届いた。沖縄でキャンプを張るDeNAの中畑監督やラミレスがインフルエンザに感染した。幸い、巨人で感染した選手はいなかったが、風邪気味で練習を早退した若手もいる。南国とはいえ、宮崎はまだ肌寒い日が多く、冷たい雨が降った5日は、球場のダッグアウトにストーブがたかれていたほどだ。体調管理もまたプロとして大事な仕事となる。
雨にも負けず、寒さにも負けず、同僚との競争にも勝ち残っていかなくてはならない。ナインにとっては、過酷な〈球春〉かもしれない。歓喜の秋を迎えるためのステップになればと願う。
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