自分しかできないことを
博覧会コンパニオンから能力開発コンサルタントに 安重千代子(あんじゅう・ちよこ)さん
1985年に現在の茨城県つくば市で開催された国際科学技術博覧会では、企業パビリオンのコンパニオンに採用され、巨大画面に映し出される映像のナレーションなどを担当した。
「その時のプロデューサーは、今までにない仕掛けを編み出し、とても刺激を受けました。同時に、人の能力のはかりしれなさに感動しました」。20代で体験した夢舞台は、人生の宝物という。
閉幕後は、憧れの弁護士を目指して司法試験の勉強に明け暮れた。だが、博覧会での感動体験が忘れられず、自分しかできないことに挑戦したくなり、人の能力を引き出すコンサルタントの道を歩む決意をする。あの夢舞台から7年後だった。
「みんなが求めているものを一生懸命に考えました。主婦から始めて成功する講座、就職に勝つ講座などを女性限定で実施したところ、当時は、この種の講座は珍しく、会場は自立したい女性の熱気に包まれました」
新たな転機は、専門学校で、マナーやサービスなどを教える機会をつかんだこと。多様な学生、一人ひとりをどのように教えたら良いか、ノウハウをスポンジのように吸収できたからだという。
就職対策では、相手に気持ちを伝える手紙の指導を徹底して行う。実直な学生の手紙が、新卒者を一度も採用していなかった企業の扉を開けたこともある。
能力開発の一環で、講義を持つ大学で日本一短期間の合格を目指す秘書検定(2級)、サービス接遇検定(準1級と2級)の寺子屋を6年前から手弁当で開いている。
「誰にもステキなところが必ずあります。それを探すのが楽しい」と目を輝かす。高齢化が進む中、高齢者の能力開発は重要テーマの一つだ。
「『人は認められることが最大の喜びである』と教えられた脳科学者の松本元先生の言葉を大切にしています」
(2012年2月13日 読売新聞)
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