性犯罪被害者支援 産婦人科医が協力…神奈川
同意の上情報共有 説明の負担減らす
1人でも多くの性犯罪被害者を支援しようと、神奈川県産科婦人科医会と県警などが今月1日、被害者情報の共有などに関する協定を締結した。(山崎崇史)
被害者にとって相談しづらく発覚しにくい性犯罪被害をできるだけ多く把握し、被害者に必要な支援を提供することが狙い。県警によると、性犯罪被害者の支援に医療機関の団体が加わるのは全国で初めて。
協定を結んだのは、約1000人の産婦人科医が所属する県産科婦人科医会と、県、県警、NPO法人「神奈川被害者支援センター」。
性犯罪被害が疑われる患者が、同医会の65医療機関に緊急避妊措置や治療に訪れた場合、医師は、警察に被害を届け出るよう促したり、同支援センターを紹介したりする。
被害者が被害届を出すと、被害者の同意を得た上で、被害にあった状況など、医療機関に伝えた情報が警察や同支援センターに提供されるため、被害者が関係機関でつらい経験を思い出し繰り返し説明しなくて済む。「早く忘れたい」「周囲に知られたくない」といった理由から誰にも相談できずにいる被害者に、適切な支援が受けられることを伝える狙いもある。
県警被害者支援室によると、県警と県、同支援センターで組織する「かながわ犯罪被害者サポートステーション」が2010年度に法律相談などの支援をした285件のうち、約半数の142件が性犯罪によるものだった。
性犯罪被害者は、医療機関での治療や専門家によるカウンセリングを受けるだけでなく、警察や裁判所などに出向く必要もある。加害者に住所や職場を知られている場合は、転居や転職を強いられるケースもあり、負担は大きい。
県警や同支援センターはこうした負担に対し、裁判所、病院、不動産業者、ハローワークなど各機関への連絡を請け負ったり、治療費の一部の公費負担、病院や裁判所に女性警察官が付き添うなどの支援を用意している。しかし、医療機関で治療を済ませ、被害届を出さない被害者については、警察で被害を把握できず、こうした支援も提供できなかった。
久我英一県警本部長は「多機関連携の意味は大きい」と期待を込める。同医会の東條龍太郎会長は「一つの団体ではできない広範囲に及ぶ支援をしたい」と話している。
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