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心の扉、開いてごらん 児童書自費出版…岡山

「心の扉を開いてごらん」というメッセージを込めた「ドンプカスー」を出版した桃井さん(瀬戸内市牛窓町鹿忍で)

 岡山県瀬戸内市牛窓町鹿忍、画文作家桃井国志(くにし)さん(69)が、少年の心の成長を描いた児童書「ドンプカスー」(文芸社・1100円)を自費出版した。(近藤真史)

 29歳で脱サラし、東京で職を転々としながら絵を描き、現在は牛窓での田舎暮らしを楽しんでいる桃井さんは「心の持ちようで、誰でも自由に生きることが出来る」との思いを作品に込めたという。

 桃井さんは、兵庫県相生市出身。高校卒業後、造船会社に勤めたが、自分らしい生き方を求め、11年目に退社。東京で日雇い労働などをしながら水彩画を描き、個展も開いた。当初は、緻密で写実的な作風の作品が多かったが、1989年、ミニコミ誌を出版した時、絵と詩や文を組み合わせた「画文」を描き始めた。

 画文をきっかけに、長年、縛られてきた形式から解放され、自由に創作できるようになった。「他人の目を気にせず、やりたいように生きればいいんだ」。長年、自身を苦しめてきた学歴や容貌などのコンプレックスもうそのように消えた。

 画文は順調に売れ、画集も出版したが、田舎暮らしへの憧れが募り、2010年、牛窓町に家を買って移り住んだ。近くの小学校で絵を教えることもあり、児童書の執筆を思いついた。

 作品は、小学1年の転校生丸山友多が、「ドンプカスー」という太鼓や笛の音に導かれ、不思議な世界に迷い込み、成長する物語。その世界には、友多の記憶を閉じこめた扉があり、奇妙な3人組に「心の扉を開いてごらん」と言われ、勇気を振り絞って様々な自分の気持ちと向き合う。

 桃井さんは「私は心の扉を開くことを知って、ささやかですが夢が全部実現した。やれば出来ると知ってほしい」と話している。

2012年2月8日  読売新聞)

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