2004年11月4日(木) 読売新聞
“戦地”からのメッセージ イラクの劇団、華麗な来日公演
 いまだに戦争状態が続くイラクからアル・ムルワッス劇団が来日して、東京、名古屋、大阪で公演、日本の人たちにメッセージを届けました。バグダッドで活動しており、20人の団員の中には女性もいました。
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イラクの伝統的な歌や演奏を織り交ぜた公演

 公演は『イラクから、船乗りたちのメッセージ』と名付けられ、琵琶(びわ)に似た伝統楽器「ウード」の演奏で始まりました。イラクの伝統的な踊りと歌を披露(ひろう)、宝の箱に、長く閉じこめられていたシンドバッドが新生する様子を「マイム」で表現します。明るくにぎやかな曲に合わせ、水夫の踊り手と、金色に縁取られた美しい衣装を着た踊り子が踊り、とても華やかです。

 そして、「援助はありがたいけど私たちは大丈夫。心配しないで」という日本の人たちへのメッセージを歌い上げました。

 後半は「声にない叫(さけ)び」と名付けられたマイム。窓わくにつるされた白いくつを必死に求める人、言葉の通じない妻、鍵(かぎ)のかかったとびら……。何を意味するのかと、考えさせられる劇でした。

 東京での公演に先だって行われたシンポジウムで、今のイラクの演劇事情についての説明がありました。イラクでは演劇への国民の関心は高いそうですが、戦争でほとんどの劇場が破壊(はかい)され、練習もままならない状況で、来日直前には、劇団の女性スタッフが空爆で亡くなるという悲しみにも見舞われました。来日前の公演は非常に簡素(かんそ)な、爆撃(ばくげき)音が聞こえる場所で行われましたが、観客は喜んでくれたそうです。

 団長のモハマド・シャキールさんは「イラクの演劇の歴史は長く、大きな文化遺産。続けていくことで伝統を受け継(つ)ぎながら人々に希望を与えたい」と話し、「日本のみなさんには精神的な支援を求めたい」と訴えていました。

 演劇を見てイラクの人たちは祖国を愛し、誇りに思っていることを強く感じました。来日を機にイラクと日本の文化交流が深まってほしいと思います。(中2・都筑一女、高1・硲(はざま)ゆか、高2・松本真実、高3・中村友子記者)

作成日: 2004年11月05日

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