2009年5月23日(土) 読売新聞
マインドマップ 楽しくなるノート作り
 黒板の文字をひたすら書き写しながら、「もっと楽しく勉強できないだろうか」と思ったことはありませんか。そんな子どもたちに、地図を描くようにノートを取る「マインドマップ」が好評です。授業に取り入れている学校や、発明した人を取材しました。(小5・蓮池遼太郎、中1・飯塚彩子、加藤聖大、中2・小窪友里乃、中3・横山達也、高2・三上航平記者)
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関根教諭(左端)が黒板に描いたマインドマップの前で、自分のスケッチブックを見せる生徒たち


 私たちは今月、東京・羽村市立羽村第三中学校で、国語の授業を参観しました。
 3年A組の生徒34人の机には、スケッチブックとカラーペン。紙の真ん中に、俳句「まさをなる空よりしだれざくらかな」(富安風生(ふうせい)作)を読んでイメージしたしだれ桜が、思い思いの色や形で描かれています。

 「『まさをなる』は、どんな色?」「作者はどこにいるのかな?」。関根和子教諭(50)の問いかけに、生徒たちは「水色」「木の下に座(すわ)っている」などと活発に発表していきます。その後、しだれ桜を中心に、何本もの線を木の枝のように伸ばしながら、空の色や作者の居場所、しだれ桜の太さ、作者の気持ちなど、考えたことを絵や言葉でかき込んで、十人十色のマインドマップを完成させました。

 マインドマップはテーマを中心に描き、連想した事柄を放射状(ほうしゃじょう)にかき足していくノート術です。関根教諭は「俳句や文学作品などを読んで、作者や登場人物の気持ちを考える際、自由にイメージを広げる手助けとなる。頭の中が整理できるので、鑑賞(かんしょう)文や作文を書く時も取りかかりやすい」と、導入3年目の成果を語っています。

 生徒の土屋恵さんは「思いつくままにかき込めるので楽しい。勉強したくない時でも、マインドマップなら『やろう』という気持ちになれます」。復習の時、授業で使ったプリントやノートの要点をマインドマップにしたところ、「よく覚えられた」と話す生徒も。また、3年生は京都への修学旅行の事前学習として、模造紙(もぞうし)の真ん中に京都を象徴(しょうちょう)する金閣寺(きんかくじ)や舞妓(まいこ)さんなどを描き、訪問するお寺や神社を調べてマインドマップにまとめるなど、グループ学習にも活用しています。

 ◆英国の学者発明 150か国で利用 

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ブザンさん


 英国の学者トニー・ブザンさん(66)が発明したマインドマップは、約150か国のビジネス、教育の現場に広がっています。日本では、一昨年に設立されたブザン教育協会(東京)が、インストラクターの養成や学校への出張授業に取り組んでいて、協会公認のインストラクター資格を持つ教員は約50人います。

 私たちは、今月来日したブザンさんにインタビューしました。マインドマップを思いついたのは、「一生懸命(いっしょうけんめい)ノートを取って勉強しているのに、頭がどんどん悪くなっているようで、テストが怖かった」という大学生の時。ノートからキーワードを抜き出し、線で関連づけたり、いろいろな色で絵を描いたりする方法を試したところ、成績が上がったそうです。

 ブザンさんは「日本には漫画(まんが)というすぐれた文化があり、絵が上手な子どももたくさんいる。遊び心を持って学びましょう」とアドバイス。著書の一つ『勉強が楽しくなるノート術』(ダイヤモンド社)には、科目ごとの活用例のほか、夏休みの計画の立て方、手紙の書き方などの項目もあり、マインドマップが幅広(はばひろ)く役立つことを伝えています。

作成日: 2009年05月27日

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