将棋の永世七冠・羽生善治さんに聞く「小学生時代と新聞」
前人未到の永世七冠を手にした将棋の羽生善治さん。羽生さんの小学生時代の生活、将棋との出会い、そして新聞の読み方についてお話を聞いてきました。
――新生活をひかえた子どもたちに一言をお願いします。
新しい環境で、最初は不安もあると思いますが、幼稚園とは違った集団生活という楽しさもあります。勉強も大事ですが、友だちと一緒に遊ぶとか小学生でしか味わえないこともたくさんあります。元気に小学校生活を楽しんでほしいと思います。
最近はなかなか難しいかもしれませんが、のびのびと過ごしてほしいですね。何がきっかけで、何が役に立つかは、大きくならないと分かりません。さまざまな経験をしてみる、いろんなことにチャレンジしてみることはいいことだと思います。
――将棋は小学校のお友達に教わったと聞きました。
近所に住んでいたタカギくんですね。私の家と歩いて2~3分の距離だったので、学校が終わると毎日彼の家で遊び、野球をやったり、ラジコンやったり、トランプやったり、いろんな遊びをしました。その中の一つがたまたま将棋でした。将棋はちょっとやってもなかなかコツが分からず、はっきり結果が出るというところがおもしろかったです。
2年生から、将棋の道場に通うようになりました。週に1回で、残りの日は本や雑誌、新聞を読むか、自分で並べて考えるか、そんな時間が長かったです。夏休みと冬休みは色々な場所で子どもの将棋大会をやっているので、たくさん参加をしました。最後の6年生の時に優勝することができました。
――ところで、羽生さんは新聞をどのように読んできたのですか?
新聞の将棋欄は、小学校2年生くらいからずっと読んでいました。難しい漢字がいっぱい出てきますが、なんとなく繰り返して読んでいるうちに覚えていきました。将棋欄は図面が1枚ありますが、「次の一手はどうなるのか」を一日考え、次の日にまた新聞を開く。日曜版に詰将棋が出ていたので、新聞を楽しみにしていました。漫画も必ず読んでいましたよ(笑)。
政治面とかそういうところは読めなかったですが、「毎日読む」という習慣は子どもの頃につきました。新聞のいいところって、いろんな表現が使われるところと、スペースの関係で簡潔にまとめた文章になっているので、小学生でも読みやすい。自分が文章を書くときも非常に参考になります。
――羽生さん自身が努力を続けられる理由はどこにあるのでしょうか?
それは「あまり大きな目標を設定しない」ということです。志を持ってやることも素晴らしいですが、たとえばマラソンでも「ゴールが100km先です」と言われると、なかなかがんばれないですよね。でも、1km先ならがんばれる。だから、とりあえず「目の前の1kmをがんばろう」という目標設定を続けることが大事だと思います。子どもは基本的に持続力がないんでね(笑)。できそうな目標を設定する、でも、簡単すぎるのもダメ。目標を一つ一つクリアすることが大事だと思います。
筆を持ち色紙に「
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