文字サイズ
    中学受験サポートに協賛する会員校の特色や、会員校からのお知らせなどを掲載しています。

    ハンドメイドの留学制度で万全サポート…多摩大目黒

     多摩大学目黒中学校・高等学校(東京都目黒区)は、研修・留学制度の充実ぶりで知られる。海外の受け入れ先は、同校が独自に探し、協定を結んできた学校だ。留学を希望する生徒は、自分の適性や留学先の情報をよく知る先生に直接相談できるので、何より安心だ。独自の研修・留学制度を築いてきた国際交流室の高木宏弥教諭に話を聞いた。

    中3生は全員オーストラリア研修

    • 同校の留学制度づくりを推進する国際交流室の高木宏弥教諭
      同校の留学制度づくりを推進する国際交流室の高木宏弥教諭

     多摩大目黒の教育の一つの特長は、豊富な海外研修・留学制度を設けている点だ。その充実ぶりから同校への入学を志望する生徒も多いという。

     中学では3年生全員がオーストラリアへ修学旅行に行く。3月中の2週間を、ホームステイしながら現地校で学ぶのである。また、希望者向けに夏休みに実施するイギリス語学研修は2週間、ロンドン郊外のコヴェントリーでホームステイしながら語学研修を受ける。2016年度は13人が参加している。

     高校になると、アメリカやカナダ、ニュージーランドで、留学協定を結んだ現地校に通い、1学期間の短期、半年間の中期、1年間の長期と、期間を選んで留学する制度がある。

     中3で全員がオーストラリアでのホームステイを体験しているので、留学希望者は多いという。16年度にニュージーランドへ留学した生徒は、1年間の長期留学が2人、2か月の短期留学が4人となっている。カナダへ1年間の長期留学をした生徒は1人、半年の中期留学は3人いた。また、夏休みを利用して3週間のアメリカ語学研修に参加した生徒は37人だった。

    独自に開拓してきた留学制度

    • 中学3年生は全員が15日間、オーストラリアのブリスベンで学ぶ
      中学3年生は全員が15日間、オーストラリアのブリスベンで学ぶ

     これらの留学協定を、何年もかけて整えてきたのが国際交流室の高木教諭だ。高木教諭が各国へ留学制度を広げるきっかけは、ニュージーランドから交換留学で日本に来た経験のある1人の高校生だった。

     この高校生の日本滞在は10日ほどだったので、もっと長期の日本留学を希望し、伝手(つて)をたどって相談するうち、多摩大目黒のネイティブの教員に行きついた。高木教諭も相談に加わって、高校生の母校とメールや電話でやり取りするうち、「交換留学制度を作りませんか」と提案があり、11年に独自の留学制度をスタートさせたという。

     現地と直接やり取りすることで、留学費用やホストファミリーの選定などに細かい目配りができることが分かり、その後、イギリス、アメリカ、カナダへと少しずつ独自に協定校を増やしていった。いわばハンドメイドの留学制度なのだ。

     直接に開拓した留学先だから、生徒たちのケアも他人まかせにはできない。高木教諭は5月の連休、カナダの協定校とホストファミリーを訪ね、留学中の生徒に会ってきた。定期的に訪れることで詳しい現地情報を蓄積し、留学を考えている生徒への的確なアドバイスを可能にしているのだ。

     また、準備段階から同校は、留学先の学校への英文書類の作成や学生ビザの手配などの手続きを、生徒・保護者とやり取りしながら行うので、きめ細かいサポートが可能だ。

    • 中学の希望者対象のイギリス語学研修では古城巡りなど異文化にも触れる
      中学の希望者対象のイギリス語学研修では古城巡りなど異文化にも触れる

     留学にあたっては、「生徒と留学校との相性だけでなく、生徒と保護者の気持ちの擦り合わせも重要です」と高木教諭は話す。例えば、保護者が子供の留学に積極的で長期留学を勧めるが、生徒は今一つ自信がないということがある。しかし、留学手続きを進める過程で親子の理解は深まる。最終的には子供の気持ちを()んで、まずは短期留学で、ということも多いそうだ。

     短期の研修ではなく留学となると、気になるのは費用負担の面だ。これについては東京都私学財団の海外留学助成金制度の適用を受けるチャンスがある。16年度は学校全体で660万円の助成金の枠を確保し、旅立つ生徒たちを資金面でもサポートした。

     短期交換留学制度もある。留学生をホームステイさせる代わりに、自分の子供もほぼ渡航費用だけで高2の夏休みの1か月間、ニュージーランドに留学してホームステイできる。昨年は、生徒2人がこの制度を利用した。

     同校は、ニュージーランドの協定校に生徒を留学させるにあたって、英語の成績は問わない。挑戦する意欲があれば応援するのだ。ニュージーランドの英語はアメリカ英語よりはイギリス英語に近く、留学生のための英語授業も充実しているので、安心して送り出すことができるという。

     一方、アメリカへの長期留学はそれなりの英語力が必要だ。ELTiSなら200点以上、英検なら2級、TOEICなら550点以上の取得が条件になっている。カナダへの留学は明確な条件を求められていない。

     研修・留学に出発前する前には、ほとんどの場合、学校で無料の英会話教室を実施する。授業を超えた内容でも、必要と思われる会話は指導しており、サポートに抜かりはない。

    海外体験が生徒の心を強くする

    • ニュージーランドに長期留学中、ホストシスターと一緒に登校
      ニュージーランドに長期留学中、ホストシスターと一緒に登校

     高1の1月から1年間、ニュージーランドに長期留学した生徒2人に話を聞いた。

     現在、高3の鈴木ありささんは、小学生の頃から英会話を習っており、スピーキングもリスニングも得意だった。ネイティブの教師による授業も楽しんできたが、日本国内で英会話の練習を重ねても限界があるのではないかと不安を感じていた。

     そこで、校内で開催された留学説明会に親子で出席したのを機に、海外生活の経験を持つ母親に強く勧められ、留学を決意したという。

     留学して2か月たったころ、日本を出発する前にも見た映画「アナと雪の女王」を見る機会があった。出発前に比べて、自分でも驚くほど作中の会話が聞き取れるようになっており、リスニングの力がぐんと上がったことを実感した。

     ただ、英語力の向上だけが留学体験の成果ではなかった。「一番変わったのは内面です」。日本の学校では提出物を忘れていると声をかけてもらえたが、留学先では違った。誰も注意してくれないし、忘れた結果は本人の責任だ。自分から行動するようになったという。今の目標は、日本の大学に進学し、スペイン語を学ぶこと。将来は世界各地を飛び回り、様々な商品を買い付けるバイヤーになりたいという。 

     同じく高3の石川達己さんは、もともと海外に憧れを抱いていたが、学校の成績が振るわず、英語は赤点という状況だった。自分を変えたい気持ちが募り、留学に踏み切った。留学中は思い切ってスマホのSNSもブロックし、日本とのつながりを断った。

    • 高1・2生対象の夏休み3週間アメリカで学ぶ語学研修。メジャーリーグ観戦中
      高1・2生対象の夏休み3週間アメリカで学ぶ語学研修。メジャーリーグ観戦中

     留学先では、はじめは片言の英語しか話せなかったが、積極的に話しかけるようにしたという。グループでディスカッションして意見をまとめていく授業が楽しく、「居眠りしている暇なんかなかった」と話す。2か月の短期留学のつもりだったが、このまま帰国しても本当に自分を変えることはできないと思い、1年に延長してもらった。

     留学中に親と連絡を取り合ったのはわずか3回程度という。「授業に出て、図書館に籠もり、勉強に集中した一年でした」と振り返る。帰国後は元の学年で引き続き勉強に励み、英語だけでなく他の教科も成績をアップさせることができた。今は、新しく生まれ変わった気持ちで大学入試に向けて頑張っている。

    適切な留学プランで進学にもフィット

    • 1年間のアメリカ長期留学では、ユタ州の公立高校で現地校の生徒とともに学ぶ
      1年間のアメリカ長期留学では、ユタ州の公立高校で現地校の生徒とともに学ぶ

     留学は、大学入試の準備とのタイミングを図ることが重要だ。高2のうちに帰国して受験の準備をするため、高1の1月からニュージーランドへ1年間の留学を選択する生徒もいれば、高2の9月から5か月間、カナダでの中期留学を選ぶ生徒もいる。中には、気に入った現地校を卒業し、海外の大学に進学した生徒もいるという。

     生徒の希望と適性にあった留学先を、普段から接している先生に相談できることは、生徒だけでなく保護者にとっても心強い。同校が、独自に留学制度を開拓してきた強みがここにある。

     (文と写真:水崎真智子 一部写真提供:多摩大学目黒中学校・高等学校)

    2017年07月27日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    おすすめ
    PR
    今週のPICK UP